Android8.0に対応した車載情報システム用SoC向けパッケージ:組み込み開発ニュース
ルネサス エレクトロニクスは、グーグルの最新OS「Android8.0」に対応した「R-Carリファレンスパッケージ for Android」の提供を開始した。R-Carのリファレンスボードと拡張ボード、Android 8.0に対応したBSPで構成される。
ルネサス エレクトロニクスは2017年10月5日、車載情報システム用SoC(System on Chip)「R-Car」向けに、グーグル(Google)の最新OS「Android8.0」に対応した「R-Carリファレンスパッケージ for Android」の提供を開始したと発表した。ハードウェア環境としてR-Carのリファレンスボードと拡張ボード、ソフトウェアとしてAndroid 8.0に対応したBSP(Board Support Package)で構成される。
Android 8.0は、Androidとして、車載対応のためのフレームワークが標準で搭載された初のバージョンである。ルネサスの車載情報システム用SoCと組み合わせることで、Androidで車載情報用プラットフォームを容易に構築できる。これにより、車でもスマートフォン用の高度なクラウドサービスがシームレスに利用できるようになり、自動車向けに新たなクラウドサービスが開発されることが期待できる。
車載用アプリケーションの開発経験の無いソフトウェアエンジニアは、R-Carリファレンスパッケージfor Androidによって参入が容易になる。Androidアプリケーションの開発経験の無いソフトウェアエンジニアにとっては、Androidの強力なエコシステムや既存のアプリケーション資産の活用が容易になるという。
Androidプラットフォームは世界中に普及しているため、Androidをベースにしたエコシステムが形成されており、豊富なアプリケーション開発者を有している。しかし従来は、車載用に適用するためにスマートフォン向けに作られたAndroidをカスタマイズする必要があった。
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