PLCとNC機能を統合したコントローラー、高速同期制御で生産性を向上:FAニュース
オムロンは、加工装置の生産性向上につながる「NJ/NYシリーズ NC統合コントローラー」を発売した。PLC機能とNC機能を1つのコントローラーに統合し、1制御周期内でPLCとNCのプログラムを実行。設計通りのタイミングで複数の工程を同期できる。
オムロンは2017年10月2日、加工機と周辺装置の高速同期制御によって加工装置の生産性を向上させる「NJ/NYシリーズ NC統合コントローラー」を発売した。ビルディングブロック型のマシンオートメーションコントローラー「形NJ501-5300」と、産業用パネル型PCのIPCマシンコントローラー「形NY532-5400-□」を用意した。
両シリーズは、1つのコントローラーにPLC(プログラマブルロジックコントローラー)機能とNC(数値演算制御)機能を統合し、1制御周期内でPLCとNCのプログラムを実行する。設計通りのタイミングで複数の工程を同期可能だ。インタロック待ち時間(NCで制御する加工機と、PLCで制御する周辺装置間の信号のやりとりで生じる待ち時間)を、別々のコントローラーを使用する場合と比べて4分の1に短縮する。
NC機能として、高精度な複雑形状加工に対応する3次元補間機能や位置補正機能などを搭載。Gコード対応で、CADやCAMで自動生成された加工プログラムをコントローラーに取り込める。これにより、複雑形状加工のプログラム設計やプログラミング作業工数を大幅に軽減する。
他に、プログラミングやモニタリング機能、3Dモーションシミュレーションに対応した統合開発環境「Sysmac Studio」にNC設定、Gコードプログラミング機能を搭載した。1つのソフトウェアで、加工装置のプログラム開発とデバッグができる。
ファンクションブロックは、PLC機能や汎用モーション制御に加え、NC制御用も実装。加工制御と周辺制御の同期プログラムを容易に設計できる。
関連記事
- オムロンが描くスマート工場の将来像と3つの独自性
IoTによるスマートファクトリー化が大きな注目を集める中、豊富な制御技術製品群に加えオープン化対応やM&Aなどを通じ力を蓄えてきたのがオムロンだ。制御技術と情報技術の融合が加速する中、オムロンは何を考え、どの方向に進むのか。オムロン 執行役員副社長 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー社長の宮永裕氏に戦略を聞いた。 - オムロンの「卓球ロボット」が示す制御技術のポテンシャル
オムロンはCEATEC JAPAN 2017開幕前日にメイン展示となる卓球ロボット「フォルフェウス」の進化と技術について紹介した。 - IEC 61131-3とPLCopenの目的とは
生産ラインに欠かせないPLC。そのPLCのアプリケーション開発効率化に役立つ国際規格「IEC 61131-3」およびそれを推進する「PLCopen」という組織をご存じでしょうか。本連載ではIEC 61131-3とPLCopenについて分かりやすく解説します。 - Motion Control FBの共通仕様と単軸の位置決め制御
PLCのモーション制御プログラム開発に貢献する「PLCopen Motion Control FB」。本連載ではMotion Control FBについてより深く掘り下げ、解説していく。第1回は共通仕様と単軸の位置決め制御について取り上げる。 - PLCが人質に取られて脅迫される時代へ、IoTがもたらす産業機器の危機
JPCERT コーディネーションセンターと経済産業省は「制御システムセキュリティカンファレンス」を開催。高度化が進む、制御システムへの攻撃の事例を紹介した。 - スマートファクトリーが追い風に、産業用PCは工場内IoTの基盤となるか
工場内でIoTなどを活用し最適な生産を実現する「スマートファクトリー」への関心が高まっている。その基盤としてあらためて導入が広がっているのが産業用PCだ。従来は専用機器を活用することが多かった工場内だが、ネットワークや異システム間連携が必須となる中、産業用PCの「オープン性」があらためて注目を集めている。 - 工場にしなやかさをもたらす、産業用PCの真価とは〔前編〕
産業用コンピュータの歴史の中で、産業用PCにスポットを当てて解説していきます。まず〔前編〕で現在に至る歴史とその背景を、〔後編〕で産業用PCの製品特徴と使われる分野、これからの方向性などについて紹介します。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.