新生CEATEC、電子部品メーカーはCPS/IoTにどうアプローチしたのか:CEATEC 2017(3/3 ページ)
「モノ」売りから「コト」売りへの移行が重視されるCPS/IoTの展示会に生まれ変わった「CEATEC JAPAN」。「エレクトロニクスショー」時代から出展を続けてきた電子部品メーカーの展示も、もはや「スゴい部品」を見せるだけでは済まされない。CPS/IoTに対して、どのようにアプローチしているのだろうか。
「IoTと関わる上での全体感の表現が次のビジネスを生む」
富士通とパナソニックのSoC(System on Chip)事業が統合して発足したソシオネクストは、8Kサイネージや監視カメラ、ドローンといった映像系のソリューション展示が中心だった。
監視カメラソリューションでは、「IoTゲートウェイ/サーバによるインテリジェント監視カメラ」と題して、ソシオネクストの製品がIoTシステムの枠組みとどのように関わるかを示した。展示の中央に設置したレールの上を電車の模型が走行すると、電車認識用センサーがそれを認識し、監視カメラが起動する。レール上のポイントを切り替えて、監視カメラの認識エリアに電車を誘導し、電車のヘッドマークを照合、停止対象電車判定すると、ポイントを切り替えて引き込み線に電車を誘導するという内容だ。
監視カメラにはソシオネクストのプロセッサが用いられているが、IoTゲートウェイとクラウドに見立てたサーバにも、「Cortex-A53」を24コア搭載するソシオネクストのプロセッサ「SynQuacer SC2A11」が組み込まれている。
IoTゲートウェイとクラウドとも同じアーキテクチャに基づくプロセッサで動作しているため、それぞれへのソフトウェア実装が容易になるという寸法だ。
「この展示は、当社がIoTと関わる上での全体感を表現するために作った。このように見える形にしていけば、改善ポイントも把握しやすくなり、次のビジネスにもつながってくる」(ソシオネクスト)という。
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