細胞の挙動観察時間を延ばしたハイスループット細胞機能探索システム:医療機器ニュース
横河電機は、細胞の挙動を長時間観察可能なハイスループット細胞機能探索システム「CellVoyager」を発売した。画像解析ソフトウェアを搭載し、3次元画像も解析可能だ。
横河電機は2017年9月5日、ハイスループット細胞機能探索システムの新型「CellVoyager(セルボイジャー) CV8000」を発売した。新薬の候補化合物探索、iPS細胞/ES細胞の再生医療・創薬応用研究、細胞機能の解析などの用途を見込む。
細胞培養スペースの密閉性を高めて二酸化炭素濃度の均一化を図ったことで、細胞培養プレート上の細胞をより均一な環境で培養できるようになった。これにより、細胞の活発な活動を長時間持続させることができる。
付属品として、画像解析ソフトウェア「CellPathfinder(セルパスファインダー)」を開発。機械学習によるパターン認識機能を持ち、明視野顕微鏡によって撮影した非染色細胞の画像を認識・解析できる。3次元画像解析機能も搭載し、生体内に近い立体的な構造を持つ細胞の挙動観察が可能だ。
搭載可能なカメラ数も、3台から4台に増加した。従来機に比べ、撮影時間を約20%以上短縮している。連続撮影にも対応するため、化合物を細胞に投与した瞬間の急激な変化も観察できる。
CellVoyagerシリーズでは、マイクロレンズ付きニポウディスク式共焦点技術を採用。CellVoyager CV8000では、従来のピンホール径50μmのディスクに加え、25μmのディスクを搭載できる。25μmのディスクを利用すれば、細胞の詳細な構造を高精細な画像で観察できるとしている。
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