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アメリカでシリコーン生産能力を増強、設備投資額は24億円:工場ニュース
信越化学は、アメリカでシリコーンを製造・販売する子会社、シンエツ・シリコーンズ・オブ・アメリカのアクロン工場の生産能力を増強する。これにより、直近4年間のシリコーン事業での累計投資額は650億円に達する。
信越化学工業は2017年8月28日、米国でシリコーンを製造・販売する子会社、シンエツ・シリコーンズ・オブ・アメリカ(SESA)のオハイオ州にあるアクロン工場の生産能力を増強すると発表した。設備投資額は24億円で、増強工事は2019年半ばの完成を目指す。
SESAは、同社シリコーン事業の北米拠点として、アクロン工場およびテキサス州にあるフリーポート工場で機能性シランを生産。また、2015年にはニュージャージー州にテクニカルセンターを開設し、事業の拡大に注力している。
アクロン工場では、成形用シリコーンゴムや接着・シール用液状シリコーンゴム、化粧品用シリコーン、自動車や電子部品用の放熱シリコーンなど、各種シリコーン製品を生産。今回の投資は、それら製品の生産能力増強と、シリコーンエマルジョンの生産設備新設を目的としている。
信越化学は2014年以降に同社タイ工場の生産能力を増強し、事業用地を取得した。また、国内工場の生産能力増強、群馬県にあるシリコーン電子材料技術研究所の新棟建設など、シリコーン事業へ積極的に設備投資を行っている。今回の増設投資を含め、直近4年間のシリコーン事業での累計投資額は650億円に達する。
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