大判紙図面を3次元化して管理する「SasaL 図面管理サービス」:CADニュース
扶桑電通は、建設業界や自治体向けのICTソリューション「SasaL 図面管理サービス」を発表した。建設現場の維持管理分野に特化したサービスで、大判や古い紙の図面などを3次元データ化し、効率的な管理を可能にする。
扶桑電通は2017年8月28日、建設業界や自治体向けのICTソリューション「SasaL(ササエル)図面管理サービス」を発表した。大判紙図面などの情報を3次元データ化して効率的な管理を行うもので、国土交通省が推進する建設現場にICTを活用する取り組み「i-Construction」に対応。同年10月1日より提供を開始する。
SasaL 図面管理サービスは、紙図面のデータベース化によって検索や管理が容易になる他、施設や橋、道路などの保全・補修作業の効率化が図れる。災害時には、図面のバックアップ対策としても活用が可能だ。同サービスは、「図面スキャニングサービス」「図面管理システム」「3次元データ化サービス」で構成される。
図面スキャニングサービスは、青焼き/白焼きを含めた最大A0ノビまでの図面をデータ化するサービス。古く劣化した図面でも、デジタル補正技術によりきれいで見やすい高精細なスキャニングが可能だ。価格は、A2サイズの白黒スキャンが1枚300円から。製本図面は、別途基本料金1冊500円が必要となる。
図面管理システムは、データ化した図面を高速検索できるシステムだ。データの拡大/縮小、スクロールなど柔軟な操作ができる他、各種関連資料を追加して継続的・横断的な維持管理ができる。クラウドにバックアップする付加サービスも提供する。価格は、基本システム(クライアントライセンス5ライセンス付き)が200万円から。
3次元データ化サービスでは、CADデータ化による3次元モデルを活用することで、スムーズな改修計画の策定や現実的なシミュレーションが可能になる。また、設計/施工ミスの防止、住民や関係者間協議における合意形成、維持管理の効率化などに活用できる。価格はCAD化する対象内容により、個別見積もりとなる。
建設現場では、過去の図面や情報が紙の形で担当部署に分散しており、十分な管理ができず、施設の保全計画や業務の実施が非効率になっている。同社はこの課題に対応するべく、建設現場の維持管理分野に特化したサービスを提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日本の先進的な医療施設を3D化する国際展開事業に参画
メガソフトは、Medical Excellence JAPAN(MEJ)が進める日本の医療施設の国際展開事業に参画する。MEJが国内外に展開する医療施設モデルの3Dデータ化と特設サイトの開設/運営を通じて、日本医療の国際展開活動に寄与する。 - 3D CADデータ変換・修正ツール「TransMagic」をサブスクリプション方式で提供
3D CADデータ変換・修正ツールの新製品「TransMagic R11」は年間契約のサブスクリプション方式で提供する。製品構成も刷新した。 - 3D技術をワンストップ提供する「3Dデータセンター」サービスを開始
2D/3D CADソフトのアンドールと3Dプリンタによる試作品製作を手掛けるアリエルが業務提携。3Dモデルデータ作成から3D造形サービスまで、3次元化技術をワンストップ提供する「3Dデータセンター」サービスを開始した。 - 概念設計からAR、複合最適化まで、3Dデータの活用提案が多数
「第27回 設計・製造ソリューション展(DMS2016)」ではCADベンダーを中心に3Dデータをより活用するための提案が目を引いた。CAEでは注目材料の解析や複合最適化に関する展示が見られた。 - 3D CADと3D CADベンダーの明日はどっちだ?
3D CADや3Dプリンタをテーマにしたイベント「3Dミライデザイン」が開催された。本稿では、第1部「デザイナーがつくるミライ」と第2部「ソフトウェアベンダーがつくるミライ」の講演内容について紹介する。