NXPと長安汽車が提携、自動運転やインフォテインメントシステムを共同開発:車載半導体
NXP Semiconductors(NXP)と中国自動車メーカー大手の長安汽車は、戦略的提携包括協定を締結した。提携による共同開発は長期にわたり、第1フェーズではインフォテインメントシステム向けの車載半導体や製品、ソリューションの提供と業界標準の策定に注力する。
NXP Semiconductors(NXP)と中国自動車メーカー大手の長安汽車は2017年8月30日(現地時間)、戦略的提携包括協定を締結したと発表した。
提携による共同開発は長期にわたり、第1フェーズではインフォテインメントシステム向けの車載半導体や製品、ソリューションの提供と業界標準の策定に注力する。第2フェーズでは車車間/路車間通信(V2X)や近距離通信認証(NFC)、先進運転支援システム(ADAS)でNXPの製品を採用し、自動車に「モバイルインフォメーションハブ」としての役割を担わせていく。
長安汽車はNXPのi.MXアプリケーション・プロセッサ・ファミリーを活用してインフォテインメントシステムを構築している。今回の提携により、長安汽車はNXPの次世代プロセッサであるi.MX 8プロセッサを採用するとともに、Diranaカー・ラジオ・チューナー/DSPファミリー(SAF775x)、オーディオアンプ、パワーマネジメントIC、CANトランシーバーの供給も受ける。長安汽車はNXPとの協業によって車載情報機器「InCall」の進化を急ぐ。
両社は2016年9月に、Neusoftとともに「中国自動車セキュリティ コモンインタレストグループ」を設立、ハードウェアベースの車載システムの安全基準づくりやアプリケーション開発を協力して進めてきた。また、NXPは2017年5月に上海市が実施した大規模自動車ネットワークのDSRC技術路上試験の実施をサポートしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 北京モーターショーに見る、中国地場自動車メーカー変化の兆し
自動車市場の成長を支えるのは既に成熟し切った日米欧ではなく新興国だ。本連載では、その新興国各国のモーターショーや開催都市の自動車事情を紹介していく。第1回は、世界最大の自動車市場となって久しい中国の首都・北京で開催された「第14回北京モーターショー」のレポートをお送りする。 - 追い込まれた日系自動車メーカーは、世界最大の市場でどんな夢を見るのか
2017年の上海国際自動車ショーはドイツと中国の自動車メーカーの躍進が目立った。逆に日系自動車メーカーは新エネ車の提案などでの打ち手が不十分だった。中国政府の政策にもついていけず、翻弄されているように見受けられる。日系自動車メーカーが行き詰る中、筆者が中国の新エネ車市場のシナリオを読み解く。 - 新生NXPの自動運転用コンピュータ「BlueBox」、NVIDIAとの違いは?
NXP Semiconductors(以下、NXP)が東京都内で会見を開き、同社上級副社長兼オートモーティブ部門最高責任者を務めるカート・シーバース氏が車載半導体事業の方針について説明。グーグルが採用するミリ波レーダー技術や、世界の大手自動車メーカー5社のうち4社が採用する自動運転用コンピュータ「BlueBox」などを紹介した。 - NXPとエレクトロビットが提携、自動運転コンピュータと開発ツールを融合
NXPとエレクトロビットは、自動運転システム向けの新しい開発プラットフォームの実現に向けて提携する。NXPの自動運転用コンピュータ「BlueBox」とエレクトロビットのオープンプラットフォームのソフトウェア開発ツールを組み合わせる。 - 自動運転に必要なV2Xの開発は米国と欧州が先行、セキュリティも焦点に
自動運転技術で重要な役割を果たす、車車間通信(V2V)や路車間通信(V2I)などのV2X用通信ICの展開に注力しているオランダの半導体メーカーNXP Semiconductors。同社の車載分野のシニア・バイス・プレジデントを務めるドゥルー・フリーマン氏に、米国や欧州におけるV2Xの開発状況などについて聞いた。