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日本版第4次産業革命「Connected Industries」とは?いまさら聞けない第4次産業革命(16)(3/3 ページ)

製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第16回となる今回は、日本政府が推し進める「Connected Industries」について意義などをまとめたいと思います。

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日本ならではの第4次産業革命

 さて、その「Connected Industries」が訴える独自性とはどういうものなのでしょうか。

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いやあ、全然知りませんでしたよ。CeBIT会場にまで行ったのに「ハノーバー宣言」も「Connected Industries」も知らないなんて、なんか恥ずかしいですね。


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確かに今でも広く知られているとはいえないかもしれないわね。訴え始めたばかりというのは当然あるけれど。


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どのあたりが他国の訴えと違っているんですか。


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特徴的なのは「人間中心」という要素ね。


 「日本の強みは現場力」とはよく聞きますが、「Connected Industries」にもそのコンセプトが織り込まれていることが最大の特徴だといえます。「Connected Industries」は、「さまざまなつながりにより新たな付加価値が創出される産業社会」を基本としていますが、以下の「3つの柱」とした考え方を示しています。

  1. 人と機械・システムが対立するのではなく、協調する新しいデジタル社会の実現
  2. 協力と協働を通じた課題解決
  3. 人間中心の考えを貫き、デジタル技術の進展に即した人材育成の積極推進

 「人間中心」の「デジタル化」の在り方を模索し、人と機械が協調する世界を描くというのが、目指す姿だといえます。こうした考え方は「システム」を優先する欧米とは一線を画すもので、他にはない特徴になっています。

「Society 5.0」との違い

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そういえば、日本政府って「Society 5.0」とかも訴えてませんでしたっけ?


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「Society 5.0」は社会の変化を示したものね。「Connected Industries」は産業の在り方だから、「Society 5.0」の一部が「Connected Industries」だといえるわね。


 「Society 5.0」とは、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、5番目の新たな社会の実現に向けた取り組みで、「科学技術基本計画」の中で訴えられました。サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実社会)が高度に融合した「超スマート社会」がそれに当たるとしています。「Connected Industries」はこの超スマート社会の産業領域を占めるとされており、競合するものではなく共に訴えていくものだとされています。

「Connected Industries」を訴える意義

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「Connected Industries」と新たにコンセプトを訴える意味ってやっぱり大きいんですかね。


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さまざまな面を持つ「日本らしさ」を含んだコンセプトを一言で示せるというのは大きいかもしれないわね。あとは、新興国などに日本の考えを訴える意味でも有効かも。


 経済産業省の糟谷敏秀氏(現:経済産業政策局長)は「Connected Industries」の意義の1つとしてASEANなど日本の製造業が多く進出している国の政府や企業などと一緒に同じコンセプトを進めていける可能性があることを示していました※)

※)関連記事:「つながる産業」は進撃の合図か、経産省が考える日系製造業の現在地

 「Connected Industries」という旗を定めることで、「日本らしさ」を訴えることができるとともに、そのコンセプトに賛同する新たなパートナーなども広がるという考え方です。

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今までは日本の取り組みはバラバラで1つの形で認識されてこなかったけれど、1つの方向性として認知してもらえるのは大きな違いになると思うわ。ただまずは「Connected Industries」自体を多くの人に知ってもらうというのが大事だけど。



 さて今回は、日本政府が推進する日本版の第4次産業革命コンセプト「Connected Industries」の意義についてまとめてみました。次回はあらためて「スマート工場の今」について紹介したいと思います。

連載「いまさら聞けない第4次産業革命」の目次

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