「OSS管理で圧倒的コストパフォーマンス」、白いソースが黒いアヒルに挑む:IoTセキュリティ(2/2 ページ)
GDEPソリューションズは、イスラエルのホワイトソース(WhiteSource)のオープンソースソフトウェア(OSS)管理ソリューション「WhiteSource」の国内販売を開始する。年間ライセンス料金は99万8000円からで、競合他社となるブラック・ダック・ソフトウェアを意識した戦略的な価格設定となっている。
OSS管理の世界市場は2018年に2億1000万米ドルまで成長
GDEPソリューションズが、OSS管理市場におけるホワイトソースの競合企業と想定するのがブラック・ダック・ソフトウェア(Black Duck Software)だ。ブラック・ダック・ソフトウェアは、OSSのコンプライアンス管理ツール「Black Duck Protex」や脆弱性管理ツール「Black Duck Hub」などを展開している。
川口氏は、競合他社との比較表を用いて「OSSに関するデータベースのサイズの大きさ」「充実した脆弱性情報」「解決策の提示機能」「誤検知のないマッチングアルゴリズム」「さまざまな開発ツールとの統合性」「クラウドサービスによる100万円を切る価格設定」などを優位性として挙げ、「WhiteSourceのコストパフォーマンスは圧倒的だ」と主張する。
なおコスト面では、ブラック・ダック・ソフトウェアの製品がオンプレミスのソフトウェアであり、ユーザーがサーバやデータベースを用意する必要があるとして年間数百万円以上かかると指摘している。ただし、開発情報の秘匿のためにオンプレミスを要望する顧客も多い。WhiteSourceもオプションでオンプレミスに対応しているが、この場合は追加で250万円かかる。オンプレミスでのソフトウェア提供であれば、コストはほぼ同等になるとみられる。
またブラック・ダック・ソフトウェアも2017年7月、グーグル(Google)のクラウドサービス「Google Cloud Platform」との提携を発表しており、クラウドを介したサービス提供に乗り出している。
GDEPソリューションズは、OSS管理の市場規模について、世界市場が2016年に1億2000万米ドル、2017年に1億6000万米ドル、2018年に2億1000万米ドル、国内市場が2016年に10億円、2017年に14億円、2018年に21億円と大幅に成長を続けると見込んでいる。この成長著しいOSS管理市場で、ホワイトソースとブラック・ダック・ソフトウェアは激しく争っていくことになりそうだ。
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