最速10分でクラウド上にスパコン環境を構築する「freebit cloud HANABI」:CAEニュース
フリービットは、クラウド型スパコンサービス「freebit cloud HANABI」の提供を開始した。最速10分でクラウド上に構築したスパコン環境を、使いたい時に使いたい分だけ利用できるため、導入コストの大幅削減に貢献する。
フリービットは2017年7月31日、産学/自治体/法人向けのクラウド型スーパーコンピューティングサービス「freebit cloud HANABI(Virtual Super Computing)」の提供を開始した。
freebit cloud HANABIはビッグデータを高速処理する必要がある時に、最速10分でクラウド上にスーパーコンピュータ環境を構築し、不要な時は1クリックで環境を削除できる。オンプレミス環境で利用している既存のスーパーコンピュータとハイブリッド利用することで、既存環境の一時的な拡張やリソース補填などが可能になる。
従来のスパコン構築では、高度な専門知識や長期にわたる構築期間、高額な費用が必要だった。同サービスでは、スパコンの設計/構築/運用をエンジンが自動化し、Webユーザーインタフェースから使いたい時に使いたい分だけスパコン環境を利用できるため、導入コストを大幅に削減する。
同サービスでは、スパコンアーキテクトが設計したスパコン用テンプレートを超高速デプロイし、自動構成されるジョブスケジューラ(slurm)や、OpenMPIを活用した並列計算処理を迅速に実行できる。また、運用に必要なミドルウェアやソフトウェアを組み込んだ専用テンプレートの作成も可能で、高い運用効率によりコスト削減に貢献する。さらに、今後はMicrosoft Azure連携ネットワークサービスの提供も予定しており、大規模データのセキュアな連携が可能になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 製造業の“みんなのスパコン”TSUBAMEのCAE利用の取り組みを聞く
東工大は「みんなのスパコン」と銘打ち、スパコン「TSUBAME」の学外利用を積極的に推進してきた。企業の使いやすさを模索してきた東工大の取り組みや、スパコンが注目されている背景などについて紹介する。 - スパコンとOpenFOAMによるインクジェットヘッド解析の成果――CAEの有効性、認められる
セイコーインスツルでは、スーパーコンピュータ(スパコン)とOpenFOAMを使って、インクジェットヘッドの3次元解析をしている。実はスパコンを使う前は、社内でなかなかCAEの有効性が理解されなかったという。そんな中、スパコンに取り組むことになった経緯や、解析事例について話を聞いた。 - 「SC16」のTOP500リストにスパコン「Pleiades」「Cheyenne」がランクイン
ヒューレット パッカード エンタープライズは、スーパーコンピュータ「Pleiades」と「Cheyenne」が、国際会議「SC16」のTOP500リストに入ったと発表した。Pleiadesは同リストの第13位、Cheyenneは第20位にランクインした。 - クラウド型スパコンサービスを発表、無料トライアルユーザーを募集
フリービットは、クラウド型スーパーコンピューティングサービス「freebit cloud HANABI」を発表した。「Microsoft Azure」向けのクラウドスパコン自動構築運用サービスで、提供開始に先立ち、無料トライアルユーザーを募集している。 - 世界最大級の工業化学研究用スーパーコンピュータを共同開発
ドイツのBASFと米HPEは、BASF本社における工業化学研究用スーパーコンピュータを共同開発する。HPEのスーパーコンピュータ「Apollo System」をベースとしており、シミュレーションやモデリングの時間を数カ月から数日間へと大幅に短縮する。