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攣縮を起こした冠動脈の画像化に成功、狭心症の新たな病態解明への応用も:医療技術ニュース
東北大学は、生体内分子イメージングを用いて、攣縮(れんしゅく)を生じている冠動脈の病変部位を画像化することに成功した。今後、冠攣縮性狭心症の新たな病態解明や非侵襲的な診断への応用などが期待される。
東北大学は2017年7月28日、18F-FDG PETによる生体内分子イメージングを活用し、攣縮(れんしゅく)を生じた冠動脈の病変部位を画像化することに成功したと発表した。同大学大学院 医学系研究科 教授の下川宏明氏らの研究グループによるもので、成果は7月27日、米国心臓協会(American Heart Association:AHA)の学会誌「Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology」電子版に掲載された。
同研究グループはこれまで、冠攣縮(かんれんしゅく)の発症メカニズムとして、冠動脈の外側にある血管外膜が炎症性の変化を起こすことで、血管平滑筋の過剰な収縮が起こることを明らかにしている。今回の研究では、血管外膜の外側にある冠動脈周囲脂肪組織(PVAT)が冠攣縮に関与しているか、その炎症性変化が18F-FDG PETを用いた生体内分子イメージングで画像化できるかを検討した。
研究ではまず、ブタの冠動脈に薬剤溶出性ステントを植え込み、冠攣縮の動物モデルを作成。同モデルの冠攣縮を示す病変部位で、PVATの炎症性変化が高進していることを18F-FDG PETによって画像化することに成功した。さらに、18F-FDG PETを用いて炎症細胞の集積から炎症性変化を測定し、結果として起こる冠攣縮の程度を評価できることも示した。
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