ニュース
心臓の動きを3Dタブレット上でリアルに再現、「Abaqus」の解析技術がベース:MEDIX関西
ダッソー・システムズは、「第5回 関西 医療機器開発・製造展(MEDIX関西2015)」において、同社が参画する「リビング・ハート・プロジェクト」の成果を披露した。
ダッソー・システムズは、「第5回 関西 医療機器開発・製造展(MEDIX関西2015)」(2015年2月4〜6日、インテックス大阪)において、同社が参画する「リビング・ハート・プロジェクト」の成果を披露した。
リビング・ハート・プロジェクトは、心疾患の患者向けに心臓の3Dシミュレーションモデルを作成し、治療や診断に役立てようというプロジェクトだ。30以上の団体が参画しており、2014年11月には、次のステップとしてFDA(米国食品医薬品局)と5年間の共同研究契約を締結している。
リビング・ハート・プロジェクトの心臓の3Dシミュレーションモデルは、MRI(磁気共鳴画像法)で撮影した心臓の画像データを3D CADデータに変換してから、ダッソー・システムズの解析ツール「Abaqus」でメッシュを作成し、陽解法をベースとする高速な動的現象に対応する「Abaqus Explicit」で解析したものだ。
展示ブースでは、3D表示が可能なzSpaceのタブレット端末上を使って、この心臓の3Dシミュレーションモデルをリアルに再現していた。回転コントローラによって心臓をどの方向から見るかを決定するとともに、ペンを使って心臓の動きをどの断面で見るかなどを決定することができる。
関連記事
- 「モノづくりで命を救う」――新たな市場を開拓した京都の試作メーカーの哲学
Vero Softwareジャパングループは東京都内で「Veroグループフォーラムジャパン2014」を開催。その基調講演で、京都に本拠を置く試作メーカーであるクロスエフェクト社長の竹田正俊氏が登壇した。クロスエフェクトは、同社が開発した「心臓シミュレーター」が「第5回 ものづくり日本大賞」において内閣総理大臣賞を受賞するなど、近年注目を集めている。 - “カプセル型”の小型心臓ペースメーカー、米医療団体が体内埋め込み
米ミネソタ州のMinneapolis Heart Institute Foundationが、サイズが従来の約1/10程の心臓ペースメーカーの埋め込みを初めて行ったと発表した。太ももの静脈からカテーテルを使って心臓に埋め込むので、胸部を開く手術が不要になる。ペースメーカーを埋め込む際の侵襲部分を最小限にできるのではないかという期待が寄せられている。 - 心臓の3次元モデルを“手元に引き寄せて”観察、ダッソーがデモを披露
ダッソー・システムズは「MEDTEC Japan 2014」で、心臓の3次元モデルを観察できるデモを行った。専用のペンを使うと、心臓のモデルを回転させたり、自分の方に“引き寄せて”観察したりできる。 - 体内に“小さな心臓”を作る!? 静脈の血流を上げる効果も
米大学が、幹細胞由来の心筋細胞から新しい臓器を作り出すことに成功した。ポンプのように伸縮し、静脈の血流をよくする働きが期待できるという。世界中にまん延している慢性静脈不全の治療にも役立つ可能性がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.