Mobileyeの後付け衝突警報システム、三菱ふそうが中小型商用車に展開:安全システム
三菱ふそうトラック・バスはモービルアイ製品を純正アクセサリーとして取り扱う。大型商用車で標準装備となっている安全システムを、中小型商用車にも導入できるようにしていく。
Mobileye(モービルアイ)の後付け用衝突警報システムを取り扱うジャパン・トゥエンティワンは2017年8月21日、三菱ふそうトラック・バスでモービルアイ製品を純正アクセサリーとして取り扱うと発表した。
大型商用車で標準装備となっている安全システムを、中小型商用車にも導入できるようにするのが狙いで、両社は日本だけでなく北米にも展開する。三菱ふそうトラック・バスは自社だけでなく他社の新車や既販車にも販売・取り付けできる体制とする。
販売目標は年間2000台。既販車への取り付けが可能な純正アクセサリーとして販売するのは「国内初」(ジャパン・トゥエンティワン)としている。
モービルアイは先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システム向けの画像認識技術に強みを持ち、SoC(System on Chip)や アルゴリズムの設計開発を手掛ける。Tesla(テスラ)や日産自動車などが納入先だ。こうした新車開発向けだけでなく、後付け用の衝突警報システムもラインアップに持つ。
後付けのシステムはフロントガラスにカメラを取り付け、前方車両や歩行者、車線を検知するもので、専用の小型ディスプレイに表示するアイコンや警報音でドライバーに注意を促す。国連欧州委員会が定める安全基準であるUN-ECE規則を満たしており、国土交通省も貸切バスに対する安全対策支援のガイドラインで特定ASV技術として認定している。
2017年3月には、Intel(インテル)がモービルアイを買収することを発表している。インテルはモービルアイの拠点に自社の自動車業界向けの取り組みを集約して自動運転向けの技術開発を加速させる。また、インテルとモービルアイはBMWと協力して自動運転車の開発や実証実験を進める計画だ。
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