検索
特集

画像認識のデファクト企業「Mobileye」は自動運転時代の主役となるか自動運転技術(1/4 ページ)

単眼カメラを用いる先進運転支援システム(ADAS)向けのSoC(System on Chip)やアルゴリズムの設計開発を手掛けるMobileye(モービルアイ)。これまで脇役に徹してきた同社に対する注目が一気に高まっている。Mobileyeはどういった企業で、今後どのような事業展開を目指そうとしているのか。同社に詳しい桃田健史氏が解説する。

Share
Tweet
LINE
Hatena
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Mobileyeの創業者で共同経営者のアムロン・シャシャウ氏(左)とフォルクスワーゲン乗用車ブランドCEOのヘルベルト・ディース氏(右)
Mobileyeの創業者で共同経営者のアムロン・シャシャウ氏(左)とフォルクスワーゲン乗用車ブランドCEOのヘルベルト・ディース氏(右)。ディース氏の基調講演にシャシャウ氏がゲストとして登場した 出典:フォルクスワーゲン

 「ついに、表舞台に立った」。

 2016年1月上旬、米国ネバダ州ラスベガスで開催された「CES 2016」のドイツ・フォルクスワーゲンによる基調講演に、Mobileye(モービルアイ)の創業者で共同経営者のアムロン・シャシャウ氏が登壇した。さらには、General Motors(GM)も、Mobileyeとの“新たなるビッグデータビジネス”で提携すると発表した。こうした動きに対応して、シャシャウ氏はMobileye独自の記者会見を開き、同社が持つ技術の実情とこれからについて詳しく述べた。

「CES 2016」のMobileyeの展示ブース
「CES 2016」のMobileyeの展示ブース。2015年まではアフターマーケット向け商品をメインに展示していたが、2016年は製品展示はほとんどなく企業イメージの広報活動に集約した

 これまで、自動車メーカーに対する脇役だったMobileyeが、いきなり主役に抜てきされた――。イスラエルのエルサレムにある同社の開発拠点を直接取材した経験のある筆者としては、そんな印象を持った。

 日本では、同社製品はフリート(商用車)用をメイン市場としたアフターマーケット商品として販売されているが、知名度は決して高くない。また同社の画像認識技術は、自動車メーカー向けの技術として、ティア1サプライヤを通じて量産車に搭載されているが、ユーザーはもとより自動車メーカーの多くの技術者がその存在を知らない。

 そんな影武者が、いきなり主役に躍り出たのだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る