病気の予防や痛みの緩和、安価なケアで注目すべき10の技術:医療機器ニュース
米Frost & Sullivanは、調査分析書「2017年のヘルスケア・ウェルネス用途のトップテクノロジー」を発表した。2017年に注視すべきヘルスケア・ウェルネス用途の新興テクノロジーのうち上位10を特定している。
米Frost & Sullivanは2017年7月19日、調査分析書「2017年のヘルスケア・ウェルネス用途のトップテクノロジー」を発表した。2017年に注視すべきヘルスケア・ウェルネス用途の新興テクノロジーとして、10項目を挙げている。
同書では、病気の予防や痛みの緩和、より安価なケアの提供を目的に用いられる新興技術を分析した。注目の10のテクノロジーとして、プレシジョン・オンコロジー、分子診断、効果予測バイオメーカー、がん・腫瘍プロファイリング、細胞治療、遺伝子編集、ヒト・マイクロバイオミクス、免疫エンジニアリング、バイオベター、ティッシュエンジニアリングを挙げている。
患者自身が主体的に治療に関わるなかで、注視すべき分野には、ビッグデータ、個別化医療、埋め込み型チップ、医療デリバリーシステム、ウェアラブル・モニタリング・デバイスを挙げている。
製薬企業やバイオテクノロジー企業は、ヘルスケア・ウェルネス向けのテクノロジーに向けた研究開発、及び病気の発症要因を個別の患者ごとに特定する個別化医療の実現に向けた研究開発に注力している。
一方で、マイクロテクノロジーやナノテクノロジーの急速な進化は、精密医療に用いられる革新的技術に対するベンチャーキャピタルや民間投資家からの投資を促している。疼痛管理や神経科学、ホルモン療法、代謝性疾患といった分野にも世界的に多くの資金拠出やクラウドファンディングが行われている。特にBRICs諸国の研究機関や企業間での連携が進み、テクノロジー開発企業は特定の治療分野におけるイノベーションを主導する企業との提携、将来有望なテクノロジーの開発に着手している。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- もはやSFではない“サイボーグ”技術
米国の人気SFテレビドラマ「600万ドルの男」や「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」の主人公達のように、人体の機能を電子機器によって代替する、いわゆる“サイボーグ”技術の実用化が進んでいる。本稿では、人工網膜と人工内耳に関する米国の最新研究事例を紹介するとともに、それらに活用されている電子技術について解説する。 - コニカミノルタが遺伝子診断企業を買収「これから個別化医療を徹底的にやる」
コニカミノルタと産業革新機構は、高度な遺伝子診断技術を有する米国のアンブリー・ジェネティクス(AG)を約900億円で買収する。コニカミノルタは、自社のタンパク質高感度定量検出技術とAGの技術を組み合わせることで、プレシジョンメディシン(個別化医療)市場に本格参入する。 - 個別化治療を実現するプレシジョンメディシン
欧米諸国では、遺伝子プロファイルを利用して各個人に合った治療法を提供する「プレシジョンメディシン」に注目が集まっている。個別化治療に向けたイノベーションの取り組みは、どのようなインパクトをもたらすのだろうか。 - 網膜色素変性症治療のための埋め込み型薬剤徐放デバイス
東北大学は、薬剤徐放デバイスを作成し、その網膜保護効果を示したと発表した。難治性でこれまで治療法がなかった網膜色素変性症の効果的な治療法開発につながることが期待される。 - デジタルヘルスケアの新潮流「睡眠トラッカー」の価値
歩数計などの機能を持つリストバンド型ウェアラブル端末「アクティビティトラッカー」は、主に肥満対策などのデジタルヘルスケアの用途で注目され、数多くの製品が販売されるようになった。そのデジタルヘルスケアの新たな潮流となっているのが、「IFA 2015」で数多くの製品が展示された「睡眠トラッカー」だ。