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第4次産業革命が生みだす「つながる産業」、3つのWGが目指すもの(前編)製造業IoT(1/4 ページ)

ロボット革命イニシアティブ協議会は2017年6月に3つのワーキンググループの活動報告と2017年度の取り組み方針について紹介した。本稿では前編で「IoTによる製造ビジネス変革WG」と同WGのサブWG活動内容を、後編で「ロボット利活用推進WG」と「ロボットイノベーションWG」の活動の様子を紹介する。

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 ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)は2017年6月19日、都内で3つのワーキンググループ(WG)の活動報告会を開催した。

 ロボット革命イニシアティブ協議会は安倍政権の成長戦略の一翼を担う「ロボット新戦略」を実践する組織として2015年5月に発足。インダストリー4.0など製造業のビジネス変革をテーマとした「IoTによる製造ビジネス変革WG(WG1)」、ロボットの社会実装をテーマとした「ロボット利活用推進WG(WG2)」、ロボット技術そのものの進化を目指した「ロボットイノベーションWG(WG3)」の3つのWGによる活動を進めてきた。

 本稿では前編で「IoTによる製造ビジネス変革WG」の活動および、2017年6月29日に開催された同WGのサブWGの活動について紹介。後編では「ロボット利活用推進WG」「ロボットイノベーションWG」の活動の様子を紹介する。

日独連携を大きく推進させた「IoTによる製造ビジネス変革WG」

 RRIのWGにおいて「IoTによる製造ビジネス変革WG(WG1)」は、ドイツのインダストリー4.0など製造業のビジネス変革をテーマとしている。同WGにおいて、2016年度の取り組みとして大きなものが、そのドイツとの連携強化である。

 日本とドイツの第4次産業革命による協力は2015年3月にドイツ首相のアンゲラ・メルケル氏が訪日した際から本格的に始まり、2016年4月には次官級での共同声明「IoT・インダストリー4.0協力に関する共同声明」が締結。「産業向けサイバーセキュリティ」「国際標準化」「規制改革」「中小企業に対するIoT支援」「IoTおよびインダストリー4.0に対する研究開発」「人材育成」の6つの項目において、協力を進めていくことが確認され、実際に具体的な活動を進めてきた。

 これを2017年3月には閣僚級へと格上げし、9項目における協力を進める「ハノーバー宣言」を採択した。これにより「サイバーセキュリティ」「国際標準化」「規制改革」「中小企業支援」「研究開発」「プラットフォーム」「デジタル人材育成」「自動車産業」「情報通信分野の協力」という9つの項目で協力を進めるが、その実質的な協力活動を運営する組織がRRI WG1である。既に2016年度からドイツ側のインダストリー4.0推進組織である「プラットフォームインダストリー4.0」との連携を推進してきたが「ハノーバー宣言」によりさらに拡大していく方針である。

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2016年の日独共同声明におけるWG1の活動(クリックで拡大)出典:RRI

3つのアクショングループを新設

 WG1では2016年度に新たに幹事会やアドバイザリーボードを新設した他、「国際標準化」「中堅・中小企業」「ユースケース」という3つのアクショングループ(AG)を新設。実質的に行動(アクション)につなげる組織としてさまざまな活動を行ってきた。さらに、テーマ別サブWGを設置して現実的な課題抽出を行った他、分野別サブ幹事会により施策検討を実施するという仕組みである。

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2016年度のWG1の体制と人事(クリックで拡大)出典:RRI

 さまざまな取り組みを進めてきたが、日本独自の取り組みとして1つの形を示した取り組みが中堅・中小AGが取り組んだ「スマートものづくり応援ツール」の募集と公表である。中堅・中小製造業にとって、大手ベンダーなどが展開するIoTツールは高度であったり、高額過ぎたりして、導入が難しかった状況がある。これに対し中堅・中小製造業AGは「それぞれの企業で身の丈に合った活用方法がある」という認識のもと、中堅・中小製造業がより簡単に、低コストで使える業務アプリケーションやセンサーモジュールなどのツールを7つのユースケースに合わせて収集。最終的に106件を「スマートものづくり応援ツール」として公表した。2017年7月7日からは同取り組みの第2弾として「IoTツール&レシピ」の募集を開始している※)

※)関連記事:IoTのおいしい使い方「IoTレシピ」の募集をRRIが開始

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RRIが新たに募集するIoTレシピのイメージ。IoTツール単体ではなくこれらを組み合わせてどういうデータを活用して使いこなすのかという使いこなしのノウハウなどを募集する(クリックで拡大)出典:RRI

 国際標準化については、2016年度は日本とドイツで専門家会合を6回実施。今後の協力方針などを示した共通戦略文書を公開した他、各国が示すリファレンスアーキテクチャモデルのマッピングやすり合わせを進めるシステムアプローチに沿った国際標準記法「Unified Reference Model - Map and Methodology(URM)」を提案するなど、IEC(国際電気標準会議)やISO(国際標準化機構)で存在感を示したとしている。

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