接合プロセスが「見える化」、IoT対応溶接モニターとインバータ式溶接電源:FAニュース
日本アビオニクスは、IoT対応の溶接モニター「QC-450」とインバータ式溶接電源「NRW-IN400P」を発売した。自動車電装部品の製造や組み立てにおいて、接合プロセスを「見える化」して信頼性を高め、高度な制御を可能にする。
日本アビオニクスは2017年6月28日、IoT(モノのインターネット)に対応した自動車産業向け高機能溶接モニター「QC-450」とインバータ式溶接電源「NRW-IN400P」を発表した。
QC-450は、接合の推移を可視化する「ランチャート表示機能」と、容易に温度のフィードバックができる「アナログ入力2ch」を搭載。「イーサネット接続」機能を標準搭載し、生産履歴を一括管理するなど、世界中どこからでも均質な品質管理と多彩な信号出力による高度な制御ができる。
ランチャート表示機能は、電極の摩耗を起因とした測定結果の変動推移から、電極交換時期などを予測する。早期に問題に対応することで、製品の品質維持につながる。モニターに最大6種のセンサーからの計測値を最大10項目表示し、計測データの中から2項目を選択してランチャート表示できる。
また、±10V入力に対応した入力部を2系統搭載しており、電流/電圧/変位/加圧以外のセンサーアンプにも接続可能で、溶接のプロセスを「見える化」する。計測項目名は11種から選択でき、入力値に対して任意のスケーリングに対応する。
NRW-IN400Pは「プログラムBOX」による遠隔操作が可能なインバータ式溶接電源で、自動機搭載型ユニットのため配置自由度が向上し、設備設計工数を削減する。さまざまなワーク形状や材料に対して最適な設定を選べるモードを標準搭載し、最大127stepの中で「SLOPE」「WELD」「COOL」を組み合わせて、任意に通電設定できる。
基本周波数は2kHz(通電時間分解能0.5ms)で、4kHz(同0.25ms)、5kHz(同0.2ms)の切り替えができ、5kHz時に二次電流8000Aの出力ができる。周波数をプログラム番号ごとに選択可能で、ワークに適した周波数を選択することで電流リップルの少ない高品質な溶接が可能になる。
両製品を組み合わせれば、変位による通電停止や温度による電流量切り替えといった制御も可能だ。例えば、溶接時に任意の潰れ量に到達した信号(QC-450側)をNRW-IN400Pに瞬時に伝えて通電停止する。「通電停止2ms以内」「停止バラつき1ms以内」などの制御が可能になり、歩留まりの向上に貢献する。
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