ニュース
組み込みビジョンプロセッサの畳み込みCNNエンジンを強化:組み込み開発ニュース
シノプシスは、同社のエンベデッドビジョンプロセッサ「DesignWare EV6x Vision Processors」に搭載されている畳み込みニューラルネットワーク(CNN)エンジンを強化した。従来製品と比較して性能が4倍向上している。
シノプシス(Synopsys)は2017年6月27日、同社のエンベデッドビジョンプロセッサ「DesignWare EV6x Vision Processors」に搭載されている、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)エンジンを強化したと発表した。この最新のCNNエンジンをオプション装備できるプロセッサ「DesignWare EV61/62/64」は、同年8月に提供予定だ。
DesignWare EV6x Vision Processorsは、最大4つの512ビットベクターDSPとプログラマブルなCNNエンジンを組み合わせた独自のアーキテクチャを持つ。
強化されたCNNエンジンは、16nm FinFETプロセスでの試作実装において最大4.5TeraMACs/秒の処理性能を記録し、従来製品と比較して性能が4倍向上している。また、係数と特徴マップ(feature map)の圧縮/復元をサポートすることで、処理するデータ量を減らし、消費電力を抑制する。
これにより、高性能のエンベデッドビジョンアプリケーションに求められる高い動画解像度とフレームレートの処理に対応する。また、技術的な課題であった小面積での高度な処理性能と低消費電力の両立も可能になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 世界を変えるAI技術「ディープラーニング」が製造業にもたらすインパクト
人工知能やディープラーニングといった言葉が注目を集めていますが、それはITの世界だけにとどまるものではなく、製造業においても導入・検討されています。製造業にとって人工知能やディープラーニングがどのようなインパクトをもたらすか、解説します。 - 畳み込みニューラルネットワークの使い方、分かりますか?
畳み込みニューラルネットワークとは何でしょうか。学問の世界から現実の世界に登場しつつあるこれは、さまざまな組み込みシステムに利用される可能性が高く、大いに関心を持つべきです。 - 芽吹くか「組み込みAI」
第3次ブームを迎えたAI(人工知能)。製造業にとっても重要な要素技術になっていくことは確実だ。2017年からは、このAIを製品にいかにして組み込むかが大きな課題になりそうだ。 - IoT時代を見据えたARCプロセッサの性能は「Cortex-A9」の1.5倍、消費電力も半減
日本シノプシスは、高性能組み込み機器向けプロセッサコアの新製品「DesignWare ARC HS4x/HS4xD」を発表。現行の「HS3x/HS3xD」から大幅な性能向上を果たした新たなフラグシップ製品で、IoT(モノのインターネット)のエッジデバイスに求められる、さらなる処理性能向上と消費電力低減という要求を満たしている。 - シノプシスが機能安全と車載セキュリティを重視、「Coverity」をISO26262に準拠
Synopsys(シノプシス)は、同社のソフトウェアインテグリティソリューションの基幹ツールである「Coverity」と「Test Advisor」について、自動車向け機能安全規格のISO 26262と一般産業機器向け機能安全規格のIEC 61508に準拠したシステムの開発に適用できるという第三者認証を取得したと発表した。