「Nintendo Switch」がμITRON4.0仕様準拠リアルタイムOSを採用:組み込み採用事例
イーソルは、任天堂のゲーム機「Nintendo Switch」に同社のμITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS、及びexFATファイルシステムが採用されたと発表した。任天堂ゲーム機での同社製品の採用は、Wii Uに搭載したFATファイルシステムに続くものだ。
イーソルは2017年6月22日、任天堂のゲーム機「Nintendo Switch」に同社のμITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS、及びexFATファイルシステムが採用されたことを発表した。任天堂ゲーム機での同社製品の採用は、Wii Uに搭載したFATファイルシステム「PrFILE2」に続くものとなる。
同社のμITRON4.0仕様準拠リアルタイムOSは、Nintendo Switchのコントローラー「Joy-Con」内で近距離無線通信NFC(Near Field Communication)などの制御用に利用される。同OSは、μITRON4.0スタンダードプロファイルに準拠しており、カーネルオブジェクトの状態参照やシステムトレース機能など、独自の機能を搭載。携帯電話やデジタルカメラなどのデジタル家電、カーナビ、プリンタ、FA機器など幅広い分野での組み込みシステムに採用されている。
exFATファイルシステムは、Nintendo Switch本体に挿入するmicroSD/microSDHC/microSDXCメモリカードなどの大容量メディアに対するファイル操作に利用される。組み込みシステム向けFAT12/16/32、及びexFATに対応し、従来のFATファイルシステムでは難しかった大容量メディアに格納された動画や音楽、写真などの大容量ファイルを高速に取り扱うことができる。さらに、多言語対応や、文字コードの動的変更機能、UNICODE対応オプションなど、海外市場向けの機能をサポートしている。
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