VRとモーションキャプチャーが融合、遠隔ロボット操縦システムに:DMS2017
オプティトラック・ジャパンは、「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」において、同社のモーションキャプチャーシステム「OptiTrack」を用いた技術「VR空間でのロボット制御」のデモンストレーションを披露した。
オプティトラック・ジャパンは、「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」(2017年6月21〜23日、東京ビッグサイト)において、同社のモーションキャプチャーシステム「OptiTrack」を用いた技術「VR空間でのロボット制御」のデモンストレーションを披露した。既に一部顧客からの受注を開始している。
VR空間でのロボット制御は、OptiTrackとモーションキャプチャー用のマーカーを取り付けた工具、モーションキャプチャーシステムとの位置同期が可能なLEDを組み込んだVR(仮想現実)システム、デンソーの産業用ロボットなどから構成されている。
VRシステムのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着したユーザーには、VR映像として、自身が手に持っている工具と、産業用ロボットの前に置いてある加工対象と同じものが映し出されている。そして、工具を動かして仮想の加工対象を加工していくと、その動きをリアルタイムに再現する形で産業用ロボットが実物の加工対象への加工を行う。
人間が操作する工具の動きに対する、産業用ロボットの動作の再現精度は0.1mmと高いレベルを確保した。「人間の工具の扱い方を、産業用ロボットの6自由度に変換してリアルタイムかつ高精度に再現するのは難しい。そこで、人間やロボットなどのリンク構造を無理なく再現してくれる、オートデスクの3DCGソフト『Maya』の機能『インバースキネマティクス』を活用した」(オプティトラック・ジャパンの説明員)という。
主な用途は、人間が直接行けない場所でのロボットの遠隔操縦などを想定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 3D CADで作った3Dデータを生かし切るVRとARの進化
AI(人工知能)と同じく2016年にブームを迎えたVR(仮想現実)。2017年以降、このVRが、製造業や建設業の設計開発プロセスに大きな変化を与えそうだ。AR(拡張現実)についても、「デジタルツイン」をキーワードに3D CADで作成した3Dデータの活用が進む可能性が高い。 - 「VR=仮想現実感」は誤訳!? VRの定義、「製造業VR」の現状と課題
製造業VR開発最前線 前編では、VRやAR、MRの概要、製造業向けVRの他の分野のVRとは異なる特徴、これまでの状況などを説明する。 - 「とにかくデータが巨大」「ケーブルが邪魔」――製造業VRの悩ましい課題を乗り越えよ!
製造業VR開発最前線 後編では、実際の導入を検討するにあたっての具体的な事項や、今後の具体的な発展、製造業でのゲームエンジンの利用によるVR開発の広がりについて説明する。 - 設計や製造でVRを使いこなせ、オートデスクが4種の体験型デモでアピール
Autodesk(オートデスク)は、ユーザーイベント「Autodesk University 2016」の展示会場で、製品設計や製造プロセスといったエンジニアリングにVR(仮想現実)を生かすための体験型デモンストレーションを実施した。 - ワコムがペンでVR空間に描画できるコンセプトモデルを発表
ワコムとWHITEは、ペンでVR空間に描画できるソフトウェアのコンセプトモデル「Ink Visualizer for VR」を共同で開発した。普通紙に手描き入力した文字や絵などをデジタルインクに変換して、VR空間で3次元のインクとして表現する。 - 重機のようにロボットを操縦できるコックピット型コントローラー
アスラテックは、建設機械操縦用人型ロボット向けの新しいコックピット型コントローラーの開発に協力したと発表した。同社のソフトウェアと回路基板を搭載した同コントローラーは、ショベル車のコックピットを改造したもので、直感的な操縦ができる。