コニカミノルタのエッジIoTプラットフォーム、国内販社はどうやって売るのか:製造業IoT
コニカミノルタジャパンが事業方針説明会を開催。エッジIoTプラットフォーム「Workplace Hub(ワークプレイスハブ)」を国内でどのように展開していくかについて説明した。
コニカミノルタジャパンは2017年6月27日、東京都内で事業方針説明会を開催。親会社であるコニカミノルタが発表した2017〜2019年度の新中期経営計画「SHINKA 2019」(関連記事:「KM流エッジIoT」が進化の源に、コニカミノルタが“仕込み”を成果に変える)を受けてのものになる。
コニカミノルタは、エッジIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「Workplace Hub(ワークプレイスハブ)」に代表されるように、モノ売りからコト売りへの事業変革を進めようとしている。その最前線となる販売サービス会社として、国内市場での展開を担うのがコニカミノルタジャパンだ。
コニカミノルタジャパン社長の原口淳氏は「当社はコニカミノルタの100%子会社ではあるが、ただ親会社の作ったモノを売るという体制ではこれからの時代を乗り切れない。グループ全体の連結業績に責任を持ち、独立した事業会社としての意識を強くして事業を展開していく」と語る。
SHINKA 2019に対応するコニカミノルタジャパンの売上高目標としては、2016年度の約1500億円から2020年度に2000億円まで伸ばす方針を示した。「従来の主力事業である情報機器事業は、印刷需要の落ち込みをワークプレイスハブなどによってカバーする。医療診断機器などを中心とするヘルスケア事業は足元が好調で、将来的には1000億円規模を狙いたい。これら2本柱に加える形で、センシング事業と、2017年4月から国内での取り扱いを始めたMOBOTIXのカメラシステムなどの新規事業にも期待している」(原口氏)という。
「ワークプレイスハブ」は「分かりやすいユースケースに仕立て上げる」
原口氏のコメントで興味深かったのが、ワークプレイスハブの展開のさせ方についてだ。「IoTプラットフォームと言っても(顧客は)ピンとこない」と前置きした上で、「(顧客にとって)より分かりやすいユースケースに仕立て上げることが重要で、2017年秋の正式リリースに向けて取り組みを進めているところだ」(同氏)という。
例として建設業界の現場事務所を挙げた他、学校や塾などの教育現場、流通/小売、不動産といった業種ごとにユースケースを作り込んでいく方針である。原口氏は「ワークプレイスハブが対象にしているのは50〜100人規模の中小企業だ。ただし、これらの中小企業の求めるものは、業種や規模によって変わってくる。ワークプレイスハブは汎用的なIoTプラットフォームだからこそ、顧客に分かりやすい形を作っていかなければならない」と説明する。
また、ワークプレイスハブは、マイクロソフト(Microsoft)やシスコシステムズ(Cisco Systems)、HP、SAPなどの大手ITベンダーがグローバルパートナーになっている。しかし、中心顧客を中小企業とする場合には、地場のITベンダーとの連携なども必要になってくる。コニカミノルタジャパンであれば、中小企業向けERPを扱う国内ITベンダーなどとの連携が必須になる。「コニカミノルタ本社の大きな連携を否定するものではないが、地場のさまざまなベンダーと連携した使いやすいユースケースを作っていきたい。その延長線上に、大企業への展開の可能性も出てくる。小さいところの積み上げが重要だ」(原口氏)としている。
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