造形精度向上と時短を両立する3Dプリンタ用スライス処理ソフトウェア:3Dプリンタニュース
日本ユニシス・エクセリューションズは、3Dプリンタ用スライス処理ソフトウェア「AMmeister」を開発した。造形対象の形状によってスライスピッチを変えられるため、3Dプリンタでの造形課題である「精度向上」と「時間短縮」が両立できる。
日本ユニシス・エクセリューションズは2017年6月13日、3Dプリンタ用スライス処理ソフトウェア「AMmeister(エーエムマイスター)」を発売した。同年10月から順次出荷し、3年間で300セットの販売を見込む。
AMmeisterは、造形対象の形状を考慮してスライスパスを作成する。曲面などの部位ではピッチ幅を細かくして造形精度を高め、垂直に造形する部位はピッチ幅を大きくスライスするなど、スライスピッチの可変指示ができる。
形状の異なるモデルそれぞれにスライスピッチの可変指示が行え、異なる形状の造形物を一度に造形可能だ。また、スライスパスが編集できるAPIを3Dプリンタ側でも用意。製造現場で造型条件を最適化できる。これらの機能により、造形品質が向上し、コスト減や短納期につながる。
AMmeisterと3Dプリンタ間のインタフェースは、同社推奨フォーマット以外に、各3Dプリンタメーカー独自のフォーマットにも対応していく。また、AMmeisterの採用を希望する3Dプリンタメーカーや性能検証を希望するメーカーも募集する。
3Dプリンタ普及の課題として、「造形精度が粗い」「造形時間が長い」ことが挙げられる。これまでのスライス処理ソフトウェアでは、高さの造形をする際、スライスピッチを一定の幅でしか設定できないことが多く、ピッチ幅を細かくすると造形に時間がかかり、粗くすると造形品質が悪くなっていた。
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