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東北大学病院が個別化医療をスタート、がん治療にゲノム/オミックス解析を活用:医療技術ニュース
東北大学病院は、個々の患者に合わせた最適な治療を提案する「個別化医療」を推進するプロジェクトを開始した。まずは「個別化医療センター」が中心となって、疾患バイオバンクを設立し、がんクリニカルシーケンス検査を始める。
東北大学病院は2017年6月5日、患者のゲノム/オミックス解析や診療情報を活用し、個々の患者に合わせた最適な治療を提案する「個別化医療」を推進するプロジェクトを開始した。
オミックスとは、ゲノム(遺伝子の総体)、トランスクリプトーム(mRNAの総体)、プロテオーム(タンパク質の総体)など、さまざまな網羅的生体分子についての情報をまとめたもの。これらを系統的に解析して、治療の最適化や発症予防などを目指すのがオミックス医療だ。
同プロジェクトでは、まず、同年4月1日に同病院内に設置された「個別化医療センター」が中心となって、ゲノム医療/オミックス医療、特にがんのゲノム医療をターゲットとして疾患バイオバンクを設立し、がんクリニカルシーケンス検査を始める。
がんは遺伝子に生じた異常が原因で発生するため、こうした異常を標的とし、その機能を制御する「分子標的治療薬」の開発が進んでいる。個々の患者のがん細胞にどのような異常が生じているかを調べるがんクリニカルシーケンス検査は、将来、より有効な薬剤による治療の可能性を広げるとしている。
個別化医療センターでは、クリニカルシーケンス検査によって現時点でのゲノム医療を提供するとともに、疾患バイオバンクを活用して全エクソン解析などさらなる遺伝子解析研究を進める。将来的には、ゲノム解析を治療の最適化や発症の予防につなげていく。
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