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さまざまな事実から一つの結論を導き出す「帰納法」、本当に理解してますか?“本当に進む”問題解決〜現場のコンサル力で事業を変える(2)(2/2 ページ)

机上の空論になりがちな「問題解決」、それを本当に進めるための“現場のコンサル力”向上のヒントをお届けする本連載。第2回は“集めた情報の要約と仮説設定”についてお話しします。

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演習:度重なるシステムの停止を解消するには?

 ここまで情報の要約と仮説設定の流れを一通り述べてきましたが、「言うは易(やす)し、行うは難し」で、なかなかイメージが付きづらく実用しにくいのではないかと思います。

 そこで、要約と仮説設定のイメージを持っていただけるよう演習問題にチャレンジしてみてください。まずはポイントをおさらいします。

【帰納法のポイント】

  1. 「分析のための基礎パーツ」を原因で分類する
  2. 分類したそれぞれのグループを要約し、「上位層パーツ」を作る
  3. 「上位層パーツ」をまた原因で分類、要約する
  4. これを繰り返して最上位の一つの要約にする
  5. この最上位の要約に「なぜこんなことが起きているんだろう」と問い掛け、その答えを洞察して仮説を立てる
  6. 仮説が正しいことを数値で証明し、証明できれば「本質的問題」と断定する

 さて、演習に入りましょう。システム開発とともに付随するインフラの提案から運用までを行う「ABCシステム」のシステム運用1部では、度重なるシステムの停止に悩まされていました。そこで情報の収集と深掘りを行い、以下のような基礎パーツを導き出しました。これを「帰納法のポイント」に従って仮説設定まで実施してみてください(詳細データは使用しないため、ここでは6.の仮説証明は省略します)。

【基礎パーツ】

(A) システム運用1部では派遣エンジニアの急な入れ替えが多く、入替メンバーの教育に工数がかかっている
(B) 次々と受注する案件のため、設計・構築を担うソリューション3部ではPMが多くの案件を抱えて日々残業している
(C) 案件の数が急増しているため、プリセールスではソフトを除く大半の仕様が発注した顧客の言いなりになっている
(D) システム運用1部では運用で取り扱うミドルウェアやハードウェアの種類が急増しており、運用メンバーの業務負荷が高まっている
(E) ABCシステムでは案件受注が相次ぎ、業績見通しが上方修正された
(F) 派遣エンジニアの解約希望理由の多くに「業務負荷が高過ぎる」が挙げられる
(G) リーマンショックからの回復傾向にある中、世の中のITニーズは高まっている
(H) 派遣エンジニアの入れ替えに伴い、他のメンバーに負荷がかかっている

 実際にはもっと多くのパーツが発生するはずですが、今回はこの8つを分類、要約、洞察してみてください。次回はその答え合わせと解説を行いたいと思います。

筆者プロフィル

株式会社VSN 馬場 秀樹

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2000年にVSNに入社。インフラエンジニアとしていくつものプロジェクトに参画。VSNの“派遣エンジニアがお客さまの問題を発見し、解決する”サービス、「バリューチェーン・イノベーター(以下、VI)」の構想メンバーであり、一流コンサルタントより問題解決手法の教示を受け、多くの問題解決事案に携わる。派遣会社でありながら、担当した事案には、数億円規模の売り上げ向上につながった例も。

現在は、同社「経営イノベーション本部」にて今後の事業の根幹を担うVIをさらに加速させるべく、事業計画の立案や浸透・推進を行う。

株式会社VSN http://www.vsn.co.jp/


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