高血圧に関する1万人調査、血圧高めの人の半数が医療機関を受診せず:医療技術ニュース
オムロン ヘルスケアが「高血圧に関する意識と行動に関する1万人実態調査」の結果を発表した。健康診断で「血圧が高め」と指摘された人の半数が医療機関を受診しておらず、30代男女の3人に1人は受診も生活改善もしていないことが分かった。
オムロン ヘルスケアは2017年5月11日、「高血圧に関する意識と行動に関する1万人実態調査」の結果を発表した。調査は30〜74歳の男女1万人を対象とし、同年3月21〜23日にインターネット上で実施した。
まず、健康診断や人間ドックで「血圧が高め」と指摘された経験がある人は32.1%で、女性より男性の方が多かった。特に30代と40代では、男性は女性の約2.5倍だった。年代の上昇とともに、指摘を受けた経験者は増える傾向にあるが、男性は40代で3人に1人(30.8%)、30代でも5人に1人(22.4%)が「血圧が高め」と指摘された経験があると分かった。
指摘された経験を持つ人のうち、約半数(46.5%)が医療機関を受診せず、生活改善について「何もしていない」人も15.3%いた。特に30代男女では、男性の30.6%、女性の34.1%が何もしていなかった。一方、改善のため行動している人は、「医師の診察を受けた」(53.5%)、「塩分を控えるなど、食事に気を付けている」(40.9%)、「自宅で定期的に血圧を計測している」(36.3%)などと回答。また、改善のために「医師の診察を受けた」人の72.8%が「高血圧症」と診断されていた。
さらに、「高血圧リスクにつながる生活習慣」について、男性30〜50代、女性30代の約4割が、10個中3個以上当てはまると回答。高血圧リスクは高齢者だけではなく、働き盛りの年代にも生活習慣改善の必要性があることが分かった。
次に、血圧に関して尋ねたところ、「安眠していても血圧が急激に上昇することがある」(11.9%)をはじめとして、「血圧値が変動する」ことに関する認識が低かった。「高血圧は痛みなどの自覚症状がほとんどない」ことを知っている人も39.6%にとどまった。特に30代、40代男性で血圧に関する知識不足が目立ち、「高血圧が、脳や血管、心臓関連の病気を引き起こすリスクがある」ことは、60代、70代では男女ともに約6〜7割の人が知っているが、男性30代では3人に1人(33.3%)、40代でも約4割(39.6%)しか知らなかった。
血圧測定については、毎日1回以上血圧を測定している人は10.1%だった。「血圧が高め」と指摘された人でも、毎日「1回測っている」は11.9%、「朝晩測っている」は13.6%にとどまった。一方で、血圧が高めと指摘され、毎日、朝晩測定している人の30.5%は「血圧値が改善した」ことを実感していると回答した。
脳/心血管疾患は、死に直結する、あるいは寝たきりとなり介護が必要になるなど、患者本人や家族の生活の質(QOL)を著しく低下させる。その主な原因として挙げられるのが高血圧だ。同社は今回の調査結果を受け、日々の血圧管理と高血圧予防の重要性を、30代、40代を含めたより幅広い世代に向けて発信し、「脳/心血管疾患の発症ゼロ」を目指していくとしている。
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