パナのコネクティッドソリューションズ社が本社を東京に移転「門真発想は限界」:製造マネジメントニュース(3/3 ページ)
パナソニックのコネクティッドソリューションズ(CNS)社の社長に就任した樋口泰行氏が投資家向け説明会に登壇。同社入社以降公の場に姿を見せるのは初となる。樋口氏は「(パナソニックの本社がある)門真発想では限界がある」と語り、顧客が集中する東京に本社を移転する方針を示した。
ファクトリーソリューション事業がプロセスオートメーション事業に
AVCネットワークス社からCNS社となる際の大きな変更点は、B2C事業であるデジタルカメラ事業がアプライアンス社へ移行し、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社からファクトリーソリューション事業が移ったことになるだろう。
CNS社に組み込まれたファクトリーソリューション事業は「ファクトリーだけを扱わない」(樋口氏)こともあって、プロセスオートメーション事業に名称を変更した。ファクトリーソリューション事業では、世界シェアトップの表面実装機を中核に電子機器の実装ラインのトータルソリューション提案に注力していたが、今後はその自動化ノウハウを非製造業にも展開していく。例えば、2016年12月に発表した店舗業務を自動化する「レジロボ」などだ。
この他、航空機向けシステムで高シェアを誇るアビオニクス、映像×音×光を軸としたメディアエンターテインメント、2017年4月に買収した物流支援のゼテス(Zetes Industries)やノートPCなどを柱とするモバイルソリューションズ、監視カメラなどを展開するPSSJ(パナソニック システムソリューションズ ジャパン)などが主力事業となる。
樋口氏は「新たな価値を生み出す強い技術をバラバラにしておくではなく、顧客の困りごとを解決するソリューションに仕立てていく。それがパナソニックにしかできないことであれば、高い利益を確保できるようになるはずだ」と述べている。
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