パナソニックは業績予想下方修正も「新規領域へのシフトと先行投資進める」:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
パナソニック社長の津賀一宏氏は、2016年度第2四半期の決算説明会で、「ハードウェアからサービスという社会変化にいかに対応するかが重要であり、そのためには新規領域へのシフトと先行投資が必要。これらを進めれば進めるほど、業績面の短期的な数字に痛みが出るがしっかり進めていきたい」と語り、成長に向けた戦略投資の重要性を強調した。
パナソニックは2016年10月31日、東京都内で会見を開き、2016年度(2017年3月期)第2四半期(7〜9月期)の決算について説明した。円高による為替影響が響き、前年度比で売上高、営業利益とも減少。通期見通しについても、想定為替レートを見直したことなどにより下方修正した。ただし同社社長の津賀一宏氏は「ハードウェアからサービスという社会変化にいかに対応するかが重要であり、そのためには新規領域へのシフトと先行投資が必要。これらを進めれば進めるほど、業績面の短期的な数字に痛みが出るが、しっかり進めていきたい」と語り、成長に向けた戦略投資の重要性を強調した。
同社の2016年度第2四半期連結業績は、売上高が前年同期比8%減の1兆7650億円、IFRS会計基準における調整後営業利益が同33%減の872億円、営業利益が同1%減の1063億円、税引前利益が同5%増の1065億円、当期純利益が同91%増の1043億円だった。また通期業績予想は、売上高で前回予想比5%減の7兆2000億円、調整後営業利益で同16%減の3200億円、営業利益で同21%減の2450億円、税引前利益で同20%減の2400億円、当期純利益で同17%減の1200億円に引き下げた。
想定為替レートは、米ドルを115円から103円、ユーロを125円から114円、人民元を17.6円から15.5円に変更している。パナソニック取締役専務の河井英明氏は「対ドルで1円の円高になると売上高に32億円のマイナス影響が出る」と説明し、2016年度第2四半期連結業績の低迷や通期業績予想の引き下げに円高が大きく影響していることを示した。
「利益体質はかなり強化されている」
津賀氏は2016年3月に「利益成長」をより重視する事業戦略を発表している。報道陣から、現在どこまで利益体質を作れているかという質問に対し「利益体質はかなり強化されている」と回答した。営業利益率5%を目標に据えている、売上高の大きな大規模6事業部は、エアコンとライティングが目標を達成し、インフォテインメントシステムも先行投資技術を製品に反映する効果を含めて目標をクリアした。ハウジングとパナホームも間もなく5%を達成する見込みである。唯一、二次電池については「車載向けの中心に最大の成長事業であり、現在は投資モード。短期的な利益は気にしていない」(同氏)という。黒字化が定着したテレビ事業についても、営業利益率5%への道筋を模索している。
また津賀氏は、国内生産が中心のオートモーティブ インダストリー ソリューションズ(AIS)社の製品について「日本のモノづくりや技術に対する信頼性が強みになっている。この強みを守りながら為替影響に対応した体制を構築するのはかなり難しい。この分野は成長で強くしていくしかない」(同氏)と述べる。
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