ニュース
なぜ日本で補聴器が普及しない? シバントスが市場拡大へ:医療機器ニュース(2/2 ページ)
日本は難聴者が多いにもかかわらず、補聴器を使っていない人が非常に多い。シーメンス・シグニア補聴器を提供するシバントスが、補聴器利用促進と国内市場拡大に向けた取り組みを語った。
2017年1月には、電池交換が不要の充電型補聴器「Cellion」を発売。また5月26日にはBluetoothを利用してテレビの音声が聞けるテレビ専用補聴器「Pure 13 BT」が発売される。これらの製品は日本のユーザーの要望を反映したものだという。
また2016年度からスタートしたプログラム「補聴器奨学生制度」では補聴器を必要とする学生に同社補聴器を無償で提供。2017年度は人気アニメーション「聲の形」とコラボレーションし、抽選で140人の学生に同社の最新補聴器が無償提供される。
その他、購入に悩んでいる人に向けた「試聴レンタル補聴器」サービスを拡充。これまで実施していた「2週間レンタル」(両耳2台で税別3000円)に加え、より長く試せる「90日間レンタル」をスタート。費用は2台で1万4400円、1台で7200円(いずれも税別)となっている。
「日本が欧米諸国に比べて補聴器が普及しないもう1つの要因が『聴覚ケア』の不在。聴覚ケアは専門家が提供して初めて成り立つ。現在の補聴器は小さなコンピュータであり精密な医療機器でもある。われわれは専門家を育成するトレーニングを実施し、聴覚ケアサービスを拡充していく」(SivantosグループCEOのイグナシオ・マルチネス氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 補聴器は“指向性”から“全方位”へ、ハイレゾ音質とIoT化も実現
オーティコン補聴器は、補聴器の新製品「オーティコン オープン」を発表した。最大の特徴は、従来の聞きたい方向の音だけを聞こえるようにする“指向性”を重視した補聴器と異なり、周囲360度“全方位”から聞こえる音の情景を自然に耳に届けるというコンセプトで開発されていることだ。 - シーメンス補聴器、オーダーメード補聴器の成形に3Dプリンタを導入
シーメンス・ヒヤリング・インスツルメンツ(シーメンス補聴器)は、オーダーメード補聴器の製造に3Dプリンタを導入する。カスタマイズの精度が上がるだけでなく、補聴器の製造時間を約25%短縮できるという。 - 補聴器もiPhoneと連携へ、“新しいウェアラブル機器”を目指す
ジーエヌリサウンドジャパンは、「iOS」端末と連携する補聴器「リサウンド・リンクス(ReSound LiNX)」を発表した。Bluetooth Smartに対応していて、「iPhone」などから補聴器のボリュームを調節したり、iPhoneに入っている音楽を聞いたりできる。今後は、サードパーティとの共同開発を通して機能の強化を図る。