なぜ日本で補聴器が普及しない? シバントスが市場拡大へ:医療機器ニュース(1/2 ページ)
日本は難聴者が多いにもかかわらず、補聴器を使っていない人が非常に多い。シーメンス・シグニア補聴器を提供するシバントスが、補聴器利用促進と国内市場拡大に向けた取り組みを語った。
日本は難聴者1430万人に対して補聴器の普及率がわずか13.5%――。
高齢化が進む日本社会では補聴器が必要な難聴者は年々増えているのに、補聴器の普及が遅々として進まないのはなぜだろうか。シーメンス・シグニア補聴器を提供するシバントスが2017年5月24日に記者会見を実施。補聴器利用促進と国内市場拡大に向けた同社の取り組みが語られた。
同社によると、日本で補聴器が必要な難聴者は1430万人も存在し、人口比では11.3%とドイツ(12.1%)イタリア(11.7%)に次いで3番目の高い比率を示している。その一方、日本の補聴器利用者数は約200万人で、難聴者に対する補聴器普及率では欧米先進国が30〜40%台となる中で日本は13.5%と大変低い。つまり日本は難聴者が多いにもかかわらず、補聴器を使っていない人が非常に多いのだ。なぜ補聴器を使わないのだろうか。
補聴器を使わない理由の調査結果では「わずらわしい」(42%)「装用しても元の聞こえに戻らない」(39%)「補聴器は騒音下では役に立たない」(26%)といった否定的な意見が多数を占める。同社の芳賀圭子社長は「日本では補聴器に対して全体的にネガティブなイメージが強い」と語る。
同社では補聴器の利用促進と国内市場拡大に向け、さまざまなかたちで補聴器のイメージアップと満足度向上に注力している。
補聴器というと耳掛け型で大きく目立つタイプをイメージし、それが「わずらわしい」という意見につながるのだが、最新の補聴器では小型化が進み、1円玉よりも小さく耳の裏側に隠れてしまうサイズの製品も登場している。
「デザイン性が高くカラーバリエーションも用意しているため、好きなカタチ/好きな色でユーザー好みの補聴器を選べるようになっている」(芳賀社長)
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