パナソニックが電動パワートレインをモデルベース開発、試作を最大5割削減:設計開発ツール
パナソニックとAZAPAは電動パワートレインへのモデルベース開発の適用について協業を発表した。モデルベース開発の活用により、パナソニックは試作機を製作する回数を従来より3〜5割削減する。電動パワートレインだけでなく、自動運転技術やコックピットにもモデルベース開発を取り入れていく。
パナソニックとAZAPAは2017年5月8日、電動パワートレインへのモデルベース開発の適用について協業を発表した。
モデルベース開発の活用により、パナソニックは試作機を製作する回数を従来より3〜5割削減する。電動パワートレインだけでなく、自動運転技術やコックピットにもモデルベース開発を取り入れていく。また、AZAPAは初めて電動パワートレイン向けのモデルベース開発を手掛ける。
両社は数年前から電動パワートレインへのモデルベース開発の適用を検討してきた。パナソニックが持つ電動パワートレイン向けのリレーやキャパシタ、充電器、バッテリーといった部品をモデル化し、AZAPAが電動車両の車両全体の性能モデルに組み込んだ。
この電動車両のモデルを基にした性能シミュレーターを開発、実機を制作せずに電力消費を最大限効率化するパワートレインの仕様を導き出すことができるようにした。また、シミュレーションによって自社製品が車両の中でどのように電力消費を改善できるかを示せるため、自動車メーカーへの提案力も強化できるとしており、「モデルベース開発が普及した欧州自動車メーカーとのビジネス拡大にもつなげてほしい」(AZAPA)。
自動車でのモデルベース開発は、経済産業省が普及促進に取り組んでおり、「自動車産業におけるモデル利用のあり方に関する研究会」を立ち上げている。AZAPAとパナソニックも同会の一員だが、今回の協業は研究会とは別の独立した取り組みとなる。
経済産業省は、モデルベース開発は国内では自動車メーカーと一部の大手サプライヤーでしか導入が進んでいないとみている。シミュレーションの活用によって提案力を向上できるメリットを訴求して、より多くのサプライヤーにモデルベース開発を取り入れてもらいたい考えだ。
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