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ルネサスからマイコンが届く前に、モデルベースでソフトウェア開発をオートモーティブワールド2016

ルネサス エレクトロニクスは、「オートモーティブワールド2016」において、モデルベース開発環境と駆動用モーターを制御するIPを組み合わせたモデルベース開発ソリューションのデモンストレーションを実施した。ルネサスのIPによってモーター制御をリアルタイムに再現できる点を特徴としている。

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 ルネサス エレクトロニクスは、「オートモーティブワールド2016」(2016年1月13〜15日、東京ビッグサイト)内の「第8回国際カーエレクトロニクス技術展」において、モデルベース開発環境と駆動用モーターを制御するIPを組み合わせたモデルベース開発ソリューションのデモンストレーションを実施した。ルネサスのIPによってモーターの制御をリアルタイムに再現できる点を特徴としている。

ルネサス エレクトロニクスがデモンストレーションを実施した「モデルベースIPソリューション」
ルネサス エレクトロニクスがデモンストレーションを実施した「モデルベースIPソリューション」 (クリックして拡大)

 従来のモデルベース開発はソフトウェアのみで制御をシミュレーションするため、モーターのように試作段階でも高い応答性が求められるシステムについて、リアルタイムな動作の再現ができなかった。これに対し、ルネサスが提案するモデルベース開発ソリューションは、モデルベース開発環境のFPGAに駆動用モーターの制御IPを組み込むことでリアルタイムに回転数が制御できるようにした。

 会場のデモンストレーションでは、モデルベース開発環境と接続したアクセルペダルを踏むと、実際のクルマの運転と同様にスムーズにモーターの回転数を制御できる様子を示した。

 さらに、電流センサーなどの故障に対する機能安全機構の働きも確認できる。同社のIPにはモーターの電流センサーが故障して電流を検知できない場合に、電流を適切に調整する故障対策が含まれている。今回展示したモデルベース開発ソリューションは、発生しやすい故障の事例に基づいたモーターの動作や、それに対する故障対策の効果を評価しやすいという。

故障対策オフ故障対策オン 電流センサーが故障した場合に、故障対策が機能せずモーターの回転数が上がっている状態(左)と、故障対策が機能して正常な回転数の状態(右)のモデルをワンクリックで再現/比較できる。赤い円の囲みは故障対策、青い四角の囲みはモーターの回転数を示す (クリックして拡大)

 こうした故障対策の評価は、リアルタイム性に欠ける従来のモデルベース開発環境では難しいという。また、実際のモーターで故障を再現してするのも、作業者がけがを負う恐れがあり困難だ。

 同社が提案するモデルベース開発ソリューションはパワーデバイスの温度/動作も同時にモデルとして評価可能で、開発期間の短縮に貢献する。「われわれがお客さまにマイコンを供給するまで、どうしても待っていただく期間がある。モデルベース開発環境があれば、マイコンを待たずにソフトウェア開発をスタートできる」(ルネサスの説明員)という。

 また、ルネサスとしても、モデルベース開発ソリューションを提案する中で出てきた納入先の要望を迅速に製品に反映させることができる。

 ルネサスがモデルベース開発に提供できるIPは、駆動用モーターの制御にとどまらない。エンジン制御や先進運転支援システム(ADAS)のIPに関しても、今回と同じソリューションとして用意できるという。より効率的なエンジンやADASのモデルベース開発にも貢献する。

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