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マシンビジョンのアプリとコンポーネントいまさら聞けないマシンビジョン入門(2)(4/4 ページ)

製造現場のプロセス自動化や品質向上に役立つマシンビジョンの基礎知識をお伝えする本連載。第2回はマシンビジョンのアプリとコンポーネントについて紹介する。

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レンズ

 レンズは、画像を取り込みカメラの画像センサーに送る役割を果たす。レンズの光学的品質や価格はさまざまで、取り込んだ画像の品質や解像度は、使用したレンズによって決まる。大半のビジョンシステムカメラは、交換可能なレンズと固定レンズの2種類を用意している。交換可能なレンズは、通常、CマウントまたはCSマウントである。

 スタンドアロンのビジョンシステムの一部として使われる固定レンズは、通常オートフォーカスを使用する。固定レンズには、パーツに自動的に焦点を合わせることができるリキッドレンズと機械的に調整されるレンズの2種類がある。オートフォーカスレンズは、通常指定された距離で視野が固定されている。

画像センサー

 カメラが、正しく照明が当てられた検査対象物の画像をどのくらいうまく取り込められるかはレンズだけではなくカメラに搭載された画像センサーによっても変わる。画像センサーは、電荷結合素子(CCD)、または相補型MOS(CMOS)技術を使用して、光(光子)を電気信号(電子)に変換する。

 基本的に、画像センサーの役目は、ノイズや感度、ダイナミックレンジのバランスを取りながら、光を取り込み、デジタル画像に変換することである。画像はピクセルの集まりで、光が少ないと、ピクセルは暗くなるが、多ければ明るくなる。重要なのは、カメラのセンサー解像度がアプリケーションに適しているということになる。解像度が高ければ高いほど、画像は細部まで鮮明になり、より正確に計測できるようになる。必要な解像度は、パーツのサイズ、検査の許容値などのパラメータから判断する。

画像処理

 画像処理は、デジタル画像から情報を抽出するメカニズムである。PCベースのシステムでは外部的に、スタンドアロンのビジョンシステムでは内部的に処理を行う。処理の手順は、まずセンサーが画像を取り込む。その画像を最適化し、必要な特徴が全て際立つように、前処理を行う。次に、ソフトウェアが特定の特徴を検出し、計測を行い、その結果を製品仕様と比較する。そして、判断を下し、結果を送信する。

 マシンビジョンソリューションを考えるとき、ビジョンシステムのアルゴリズムは主要コンポーネントの中でも最重要である。システムやアプリケーションによっては、ビジョンソフトウェアがカメラのパラメータを構成し、合否の判定を行い、製造現場との通信を行って、HMI開発をサポートすることになる。

通信

 ビジョンシステムでは、さまざまなオフザシェルフコンポーネントが使用されるため、このようなアイテムを整理して、別のマシンへ素早く簡単に情報接続する必要がある。これは、ディスクリート入出力信号か、記録デバイスにシリアル接続経由で送信されるデータかで行われる。ディスクリート入出力の場合、プログラマブルロジックコントローラー(PLC)で接続できる。PLCはその情報を使用して、作業セルや、スタックライトなどのインジケーターをコントロールする。また、リジェクトメカニズムのトリガに使用されるソレノイドに直接接続することもできる。

 シリアル接続によるデータ通信は、標準的なRS-232シリアル出力、またはイーサネットの形式で行われる。中には、Ethernet/IPのような高レベルの産業用プロトコルを採用しているシステムもある。モニターなどに接続して、プロセスの監視や制御に便利な、アプリケーション固有のオペレータインタフェースを提供するケースもある。

≫「いまさら聞けないマシンビジョン入門」の目次

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