産業用IoT市場を切り開く日立、IoT基盤を訴求:ハノーバーメッセ2017
日立製作所は、ハノーバーメッセ2017にグループ9社共同で出展し、IoT基盤「Lumada」を中心とした、産業向けソリューションを提案した。
日立製作所は、ハノーバーメッセ2017(2017年4月24〜28日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、同社が注力するIoT基盤「Lumada」を中心とした産業向けソリューションを提案した。
IT×OTの強みを「Lumada」で
日立製作所ではハノーバーメッセへは個々の関連企業での出展はあったものの、グループ9社が関わるなど本格的な出展は初めてとなる。今回中心商材として訴えたのが2016年5月に発表したIoTプラットフォームの「Lumada(ルマーダ)」である。
「Lumada」は、データの統合、分析やシミュレーションから知見を得るソフトウェア技術などで構成される汎用性の高いクラウド基盤である。同基盤を活用してデータの収集や分析、他システムとの連携を行い、最終的なビジネス価値創出に貢献することを目指している。
同様のシステムやプラットフォームは多くの企業が展開しているが、日立製作所の強みとなるのがIT(情報技術)とOT(制御技術)のそれぞれを持つという点と、日立製作所のノウハウや実証の成果が生かせるという点である。IoTに関してはIT企業側からも生産財企業からもソリューション提案が進んでいるが、どちらもIT側のノウハウがなかったり、OT側の負担や実現可能性などが把握できなかったりし、結局求める成果にたどり着かないケースも多い。日立製作所は製造業であるだけでなく、数十年間IT事業を展開してきた歴史があり、それぞれを高いレベルで維持している。そのため、どちらの立場でも現実に即した形で価値を示していけるとしている。
今回は特に製造業とエネルギー産業をターゲットにソリューションを提案。自社内での実証実験の成果の他、ダイセルと共同で実証試験を進めている画像解析による品質向上の取り組み※)などさまざまなソリューションを紹介した。
※)関連記事:ダイセル式生産革新がさらなる進化、日立の画像解析でミスや不具合の予兆を検出
また、ヒューマノイドロボット「EMIEW3」なども用意。産業用ロボットだけでなく、サービスロボットとして人のさまざまな活動を支援するイメージのデモを行い、大きな人気を集めていた。日立製作所では「出展により産業用途での新たな顧客を獲得するだけでなく、新たなパートナー開拓にもつなげたい」としている。
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