SIGFOXがもたらす革新、IoT通信料売り切りセンサーなどを展開へ:製造業IoT(2/2 ページ)
京セラコミュニケーションシステムは2016年11月に発表した、LPWANの1つである「SIGFOX」の本格展開を開始した。既に東京の約半分、大阪のほぼ全ての人口カバー率を実現しているとし、2020年3月には人口カバー率99%を目指すという。
パートナー企業は94社に
KCCSでは、SIGFOXの展開において、センサーデバイスを開発するデバイスパートナーの他、インテグレーションを行うインテグレーションパートナー、アプリケーション開発を行うアプリケーションパートナーなど、パートナーシップによりエコシステム構築を推進。2017年4月10日時点で、94社がパートナーシップに加入しており、35社がデバイスパートナー、61社がインテグレーションパートナー、26社がアプリケーションパートナーになっているという。
さらに、SIGFOX通信モジュールの提供なども既に進んでいる。村田製作所やSMK、InnoComm、WiSoLなどから通信モジュールや評価ボードなどが発売。徐々にラインアップの拡大なども進んでいる。
広がる、通信料売り切りの世界
SIGFOXそのものの機能強化なども進行。SIGFOXネットワークを利用し、基地局間の電波の強弱だけで位置情報を簡易に取得できる「SIGFOX Spot'it」などに加え、SIGFOXネットワークに対応したArduino拡張ボードの提供なども行う計画を示す。新たなSIGFOXデバイスの試作機をより早期に開発できるようにする。
さらに、温湿度、照度、磁気、加速度、ジャイロ、ボタンの6種類のセンシング機能と1年間のSIGFOX通信回線料金を込みで展開するSIGFOXエントリーデバイスを用意。1台当たり7000円で提供する。1日に140回までの通信が可能で、2017年夏頃から展開を開始する。
また、従来はSIGFOX製品の認証を得るためにはフランスにデバイスを送らなければならなかったが、新たにテュフ・ラインランドがSIGFOX公式認証試験ラボに認定されたため、SIGFOX認証プログラムを国内で取得できるようになった。デバイス開発のスピードアップに貢献する。
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