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SIGFOXがもたらす革新、IoT通信料売り切りセンサーなどを展開へ製造業IoT(1/2 ページ)

京セラコミュニケーションシステムは2016年11月に発表した、LPWANの1つである「SIGFOX」の本格展開を開始した。既に東京の約半分、大阪のほぼ全ての人口カバー率を実現しているとし、2020年3月には人口カバー率99%を目指すという。

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 京セラ子会社の京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)は2017年4月11日、「SIGFOX」の本格展開に伴い「SIGFOX開業式」を開催した。

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SIGFOX開業式のテープカットの様子

 KCCSは2016年11月にフランスのSIGFOX(シグフォックス)と提携し、シグフォックスが提供するIoT(モノのインターネット)ネットワーク「SIGFOX」を日本で展開することを発表していた※)

※)関連記事:IoT通信費用が年額100円以下、「SIGFOX」が京セラ経由で日本進出

 「SIGFOX」はIoTに最適なネットワークとして注目されるLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの1つである。IoTは、さまざまな利用が検討されているが、用途の大半はデータ量が少なく、通信回数も少ない、状態監視などであると見られている。こうした場合、通常のキャリアネットワークでは、通信料金が高すぎたり、通信のための消費電力がかかりすぎたりするなど、利用の障害となっていた。こうした中で注目を集めているのが、無線通信として、低価格、省電力で広域をカバーできるLPWA(Low Power Wide Area)である。

 「SIGFOX」はIoTに特化したネットワークで、データ通信能力はそれほど高くないものの、低価格、省電力、長距離伝送が可能である点が特徴である。既に欧米を中心に32カ国で展開、2018年までに60カ国に増加する予定だという。日本ではKCCSが2016年10月以降、基地局の整備などを進め、2017年2月にはサービスを開始。今回は本格展開に向けて「SIGFOX開業式」を開催した。

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KCCS 代表取締役社長の黒瀬善仁氏

 KCCS 代表取締役社長の黒瀬善仁氏は「通信ネットワークを振り返ると、電話が登場した120年前、場所と場所とつなぐということが可能となった。その後、20年前に携帯電話が登場し、人と人がつながるようになった。そしてIoTが登場し、あらゆるものがつながる世界が登場しようとしている。しかし、現在の高速大容量化を目的としてきた通信ネットワークは低速小容量を中心とするIoTには適していない。このギャップを埋めるのがSIGFOXである」と語る。

 KCCSでは2017年3月までに東京23区、川崎市、横浜市、大阪市でサービスを開始するとしてきたが、現状では「東京23区、川崎市、横浜市のほぼ半分、大阪市のほぼ全域をカバーしている」(黒瀬氏)。

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東京近郊と大阪市のSIGFOXカバーエリア(クリックで拡大)出典:KCCS

 今後は2018年3月に主要36都市をカバーし、2018年3月に人口カバー率85%、2019年3月に99%を目指すとしている。

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SIGFOXカバーエリアの目標(クリックで拡大)出典:KCCS

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