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ミッドレンジFPGAでディープラーニング、NVIDIA「Tesla M4」以上の効率を実現人工知能ニュース

インテルは、AI(人工知能)に関するプライベートイベント「インテル AI Day」の展示会場において旧AlteraのFPGA製品を用いたAIのデモを行った。ミッドレンジFPGA「Arria 10」を用いたディープラーニングの消費電力当たりの処理速度は、NVIDIAのGPUアクセラレータ「Tesla M4」を用いる場合を上回るという。

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 インテルは2017年4月6日、AI(人工知能)に関するプライベートイベント「インテル AI Day」を開催した。併設の展示会場では、同社のPSG(Programable Solutions Group)が扱う旧AlteraのFPGA製品を用いたAIのデモも行われた。

 デモの内容は、ミッドレンジFPGA「Arria 10」を搭載するボードを組み込んだPCを使ってディープラーニングを行うというもの。Arria 10に、たたみ込みニューラルネットワーク(CNN)のモデルとして広く知られている「AlexNet」や「GoogLeNet」を実装して、ImageNetの画像データセットに対する画像分類を行った。その処理速度は約1000画像/秒で、消費電力は約40Wに抑えられている。消費電力当たりの処理速度で見れば、NVIDIAのGPUアクセラレータ「Tesla M4」を用いる場合を上回るという。

Arria 10」搭載ボードを用いたデモの内容画像分類を行っている画面 「Arria 10」搭載ボードを用いたデモの内容(左)と画像分類を行っている画面(右)(クリックで拡大)

 なおこのデモは、効率を高めるために演算精度を16ビット浮動小数点で行っている。プログラミング可能なFPGAでは、ディープラーニングの演算精度を自在に切り替えられる。例えば、演算精度を4ビットや8ビットなどの固定小数点にすれば効率をさらに向上することが可能だ。

「Arria 10」搭載ボード
「Arria 10」搭載ボード。サイズ的には一般的なPCI-eボードと変わらない(クリックで拡大)

 FPGAのプログラミングは抽象度の低いHDL(ハードウェア記述言語)の知識が必要とされる。このことは、AIの研究開発者がFPGAの利用を忌避する原因になっていた。デモに用いたArria 10を搭載するFPGAボードは、機械学習のライブラリ/フレームワークである「Caffe」やインテルの「MKL-DNN」から直接FPGAのプログラミングを行える仕組みになっている。これによって、AIの研究開発者によるFPGA利用を一気に広げようというのがインテルの考えだ。

 より詳細なFPGAのプログラミングを行いたい場合には、AI開発でも広く用いられているOpenCLに対応した開発環境「FPGA SDK for OpenCL」を用いればよい。「C言語レベルのプログラミング知識があれば、FPGAをより踏み込んで活用するディープラーニングのシステムを構築できる」(インテルの説明員)という。

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