第4次産業革命に必要な「握手しながら殴り合う」覚悟
2017年3月20〜24日にドイツのハノーバーで国際情報通信技術見本市「CeBIT 2017」が開催されました。今回のCeBITは日本の製造業にとってはかつてないほどの注目を集めました。日本がパートナー国を務め、日独首脳会談などが実施された他、日本パビリオンなどが設けられ118社もの日本企業が出展したからです。
CeBITはもともとIT(情報技術)関連の展示会で、製造業にとってはあまり縁のないものでした。どちらかといえば製造業にとっては、同じハノーバーで開催され、CeBITのもともとの母体でもあるハノーバーメッセの方が、なじみがあるかもしれません。ただ、ここ数年はドイツがモノづくり革新プロジェクト「インダストリー4.0」を開始したこともあり、インダストリー4.0における製造業側やエッジ側の動きを伝えるハノーバーメッセに対しIT側の動向を示すCeBITという位置付けとなり、注目を集めていた経緯があります。
MONOistからも現地に敏腕編集記者を派遣し、会場からのイキのよいレポートを随時お届け中ですが、本稿では現地で発表された日独の政府間連携「ハノーバー宣言」について触れたいと思います。
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