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国家間バトルはもう十分、加速する政府の枠組み作りいまさら聞けない第4次産業革命(9)(1/3 ページ)

製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて分かりやすくお伝えしていきます。第9回はここのところまた激しくなってきた「第4次産業革命による国家間連携」についてあらためてまとめたいと思います。

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本連載の趣旨

 「第4次産業革命」や「インダストリー4.0」などの言葉を聞かない日はないほど、大きな注目を集めています。4番目の産業革命とされている通り、製造業の業態についても大きな影響を与える「第4次産業革命」ですが、その認識レベルや捉え方は置かれている立場や状況で大きく異なります。また「第4次産業革命とは結局何?」という人から「抽象論は分かったから具体的な技術の話が聞きたい」など求める情報レベルも大きく幅があるように感じています。

 そこで本連載は、「いまさら聞けない第4次産業革命」とし、第4次産業革命で製造業が受ける影響や、捉える方向性などについて、分かりやすくご紹介していきたいと考えています。ただ、単純に解説していくだけでは退屈ですので、架空のメーカー担当者を用意し、具体的なエピソードを通じて、ご紹介していくつもりです。

※)本連載では「第4次産業革命」と「インダストリー4.0」を、意味として使い分けて表記するつもりです。ドイツ連邦政府が進めるインダストリー4.0はもともと第4次産業革命という意味があります。ただ、本稿では「第4次産業革命」は一般用語として「IoTによる製造業の革新」を意味する言葉として使います。一方で「インダストリー4.0」はドイツでの取り組みを指すものとします。


本連載の登場人物

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矢面 辰二郎(やおもて たつじろう)

自動車部品や機械用部品を製造する部品メーカー「グーチョキパーツ」の生産技術部長。ある日社長から「君、うちも第4次産業革命をやらんといかん」と言われたことから、話が始まる。多少優柔不断。印出研究所に入り浸っている。


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印出 鳥代(いんだす とりよ)

ドイツのインダストリー4.0などを中心に第4次産業革命をさまざまな面で研究するドイツ出身の研究者。第4次産業革命についてのさまざまな疑問に答えてくれる。サバサバした性格。


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米国 好男(よねぐに よしお)

米国の第4次産業革命関係の事情に詳しい調査会社の社員。印出さんと交流がある。アメリカ好きがとことんまで極まっているが、東京・浅草生まれの生粋の日本人である。


*編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。

前回のあらすじ

第8回:「製造業のサービス化、考えなければならない2つのリスクとは?

あらすじ背景

 従業員200人規模の部品メーカー「グーチョキパーツ」の生産技術部長である矢面辰二郎氏はある日、社長から「新聞で読んだけど、君、うちも第4次産業革命をやらんといかん」と言われます。しかし、「第4次産業革命」といわれても「それが何なのか」や「どう自分たちの業務に関係するのか」がさっぱり分かりません。そこで、矢面氏は第4次産業革命研究家の印出鳥代氏に話を聞きに伺うことにしました。


 さて前回は、「製造業のサービス化(サービタイゼーション)」により考えなければいけないリスクについて紹介しました。

 簡単に振り返ってみましょう。第6回の「第4次産業革命で『製造業がサービス業になる』ってどういうこと?」と第7回「製造業のサービス化、予兆保全は単なる『はじめの一歩』」では、製造業がデータを使った新たなビジネスモデルを展開できるメリットや新たな価値の広がりについて紹介してきました。しかし、サービタイゼーションはメリットだけがあるわけではありません。印出氏も、2つのリスクについて訴えていました。

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「製造業のサービス化」へのリスクの1つは既に広く知られているように「サイバーセキュリティ」ね。もう1つは少しぼんやりしているけれど「ビジネスモデルと契約の問題」といえるかしら。


 リスクの1つはサイバーセキュリティについてです。日々変化する発展途上の環境でどうセキュリティを担保して新たなビジネスを築いていくのかという点は検討していかなければなりません。

 そしてもう1つがビジネスモデルと契約の問題です。サービス化ということは顧客と継続的な関係が生まれることになります。その中で発生するトラブルや収益モデルなども従来の売り切り型とは大きく変わることが想定されます。ビジネスの継続性を維持するためにどういう契約関係を作るのかというのは、今後製造業がサービスビジネスを強化する上で考えていかなければならない点だということでした。

 さて今回は、ここのところ大きく変化してきた国際協力の動きについて紹介したいと思います。日本やドイツ、米国などでさまざまな団体が協力の場作りを進めています。

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