「ピンクが売れてるからよい棚に移して」仮想と現実を結ぶHoloLensが生む価値:リテールテック2017
日本マイクロソフトは、「リテールテック2017」において、ヘッドマウントディスプレイ「HoloLens(ホロレンズ)」を出展し、リテールにおけるMR(Mixed Reality)の持つ可能性を紹介した。
日本マイクロソフトは、「リテールテック2017」(2017年3月7〜10日、東京ビッグサイト)において、2017年1月から国内でも販売を開始したヘッドマウントディスプレイ(HMD)「Microsoft HoloLens(ホロレンズ)」によるデモを行い、小売市場におけるMR(Mixed Reality、複合現実感)のもたらす価値について紹介した。
ホロレンズで実現するマイクロソフトの新たな取り組み
ホロレンズはマイクロソフトが開発したヘッドマウントディスプレイで、現実世界の上に仮想世界の映像を重ねて映し出す「MR」体験を単体で実現可能な自己完結型デバイスとして注目されているウェアラブル端末である。従来のHMDの多くがまさに“ディスプレイ”として、入力されたコンテンツを映し出すだけだったのに対し、ホロレンズは「ホログラフィックコンピュータ」という位置付けの通り、本体1台でさまざまな機能が実現できることが特徴である。また、OSにWindows 10が搭載された1つのコンピュータ端末であるため、Windowsアプリケーションをそのまま利用可能という特徴を持つ。国内では業務用途や研究用途として2017年1月から販売されている。
リテールテック2017において、日本マイクロソフトは新たにこのホロレンズを、インタフェースとすることで小売業界の業務を革新できる可能性について紹介した。デモで訴えたのは、ホロレンズによる直感的なインタフェースを生かした棚割りの変更である。現実の店舗に棚を映し出し、例えばシューズなど、主要な製品を表示。さらにその製品の売上高や販売数などをERPなどの情報と組み合わせて表示し、売上高順に並べ直したり、ランキングなどの展示を簡単に行ったりすることが可能となる。
ホロレンズがカメラ機能を保有しているため、ジェスチャー操作で表示されている仮想空間の物体なども移動させたり、色を変えたりすることが可能。実際に動かしてみなくても大体のイメージをつかめる利点がある。「ホロレンズは単体で利用可能な自己完結型のデバイスであるだけでなく、描く世界については複数人で共有することなども可能だ。複数人で店舗内配置などを相談するときなどにも有効に活用可能だ」(ブース説明員)としている。
日本マイクロソフトではホロレンズのアプリケーション開発および展開などについても、従来と同様パートナー企業を募って進めていく方針。ただ従来と異なるのは、販売パートナーやアプリケーション開発パートナーだけでなく、ハードウェアデバイスパートナーも求めている点だ。「ホロレンズの機能が不十分であったり、オーバースペックであったりする場合もある。その場合は、マイクロソフトがライセンスし、デバイスをパートナーが開発するようなケースもあると考えている。そのためのパートナーシップも用意している」(ブース説明員)。
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