「HoloLens」と「Fusion 360」を融合させた未来の設計シーンを公開:MR技術で設計環境はどう変わる?
オートデスクとマイクロソフトは、2014年から取り組んでいる共同開発プロジェクト「FreeForm」のこれまでの成果として、複合現実(MR)技術を活用した設計環境に関する映像を公開した。
米Autodesk(オートデスク)と米Microsoft(マイクロソフト)は、2014年から取り組んでいる共同開発プロジェクト「FreeForm」のこれまでの成果として、複合現実(MR:Mixed Reality)技術を活用した設計環境に関する映像を動画共有サイトYouTubeに公開した。
FreeFormとは、オートデスクの3次元CAD/CAM/CAEツール「Fusion 360」と、マイクロソフトのヘッドマウントディスプレイ型拡張現実システム「HoloLens」を組み合わせた、MR技術による設計・エンジニアリング環境の実現に関する共同開発プロジェクト。両社は、単に3Dモデルをホログラム表示するだけではなく、従来の設計環境やコミュニケーションを革新するツールとしての可能性に期待を寄せている。
これまでの数カ月間で両社は、複数の試作3Dモデルを作成し、開発・設計の現場で利用されるであろうMR環境のシナリオを検討。さらに、ホログラムで表示される3Dオブジェクトに壁や空間を重ね合わせることで、作業エリアをどのように有効活用できるかを検証してきたという。
現在のところ、FreeFormプロジェクトは開発段階であるため、実際に体験することはできないが、近い将来実現できるとしている。これまでの成果として公開された今回の映像では、機械設計者や工業デザイナーがホログラム空間で協力し合い、これまでにないコラボレーションを行う様子が紹介されている。
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