Fusion 360の日本語版は今秋から提供開始。Webブラウザ版提供は2016年半ば予定:CADニュース
オートデスクは2015年秋から3D CAD「Fusion 360」の日本語版を提供開始する。Webブラウザ版も準備中で、2016年半ばに提供開始予定だ。
オートデスクは2015年8月2日、東京ビッグサイトで開催されたメイカーズの祭典「Maker Faire Tokyo 2015」(会期は同年8月1、2日。以下、MFT 2015)内でクラウドベース3D CAD「Autodesk Fusion 360(以下、Fusion 360)」の日本語版を提供すると発表した。提供開始は同年秋を予定している。現状は英語版と中国語版のみ。Fusion 360は個人やスタートアップ企業については無償で利用可能だ。同製品はソリッドモデリングの他、CGライクなサブディビジョンサーフェス機能(ポリゴンメッシュを規則的に分割して得られる曲面サーフェス)も備える。
同製品のアクティブユーザー(コンスタントにアクセスがあるユーザー)数は米国に次いで日本が2位であり、その数も順調に増え続けていることから、今回の日本語化が決定したという。Fusion 360については同社が日本に向けて積極的にプロモーションしたわけではなく、ユーザー間の口コミで伸びていった要素が大きいと見ているとのことだ。
「日本の技術者が重視している2次元図面作成の機能が2014年11月から備わってしばらくたち、タイミング的にもちょうどよかった。現時点はISO(国際標準化機構)やANSI(米国国家規格協会)の規格に対応しているが、今後はJIS(日本工業規格)も対応していく」と米Autodesk Fusion 360担当ディレクター ケビン シュナイダー氏は述べる。
2016年半ばにはWebブラウザベースのFusion 360もリリース予定だ。「デスクトップ、クラウド、モバイル、それぞれの環境に利点がある。Webブラウザ版の提供も選択肢の1つとして提供する」(シュナイダー氏)。
同社ではWeb上のFusion 360のコミュニティー、ユーザーグループのイベント、プライベートイベント「Autodesk University」などでユーザーとコミュニケーションを積極的に図りながら、改善や機能追加の要望の抽出をしてきた。今後もこのような活動を強化していくという。
オートデスクはMFT 2015に出展し、Fusion 360を展示するとともに、同社が開発した3D プリンタ「Ember」実機を日本初披露した(関連記事:“3DプリンタのAndroid”になれるか!? オートデスク「Spark」のもたらす価値)。今回のMFTについて、シュナイダー氏は「当社のブースイベントでは『exiii』のプレゼンに多くの注目が集まった。私もエレとメカが非常にうまく融合した事例だと思った。他所の展示やプレゼンも見て回ったが、音楽や映像、最先端の技術を複雑に組み合わせ、もはやアートの域に達しているような作品も見られた。米国の幾つかのMaker Faireを訪れたことがあるが、特に今回の東京では『いろいろなことが起こっている』と感じた」と話す。
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