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CFRPは「扱いが難しいナマモノ」、量販モデルでの採用はトヨタも苦戦材料技術(2/2 ページ)

トヨタ自動車は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)をプラグインハイブリッド車「プリウスPHV」の新モデルに採用した。「大量生産でもCFRP部品の品質を確保するノウハウが蓄積できた。他の部位でCFRPを採用しても量産に対応できるだろう」(同社)といえるまでの苦労とは。

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CFRPだからできた造形

 CFRPは個性的な造形の実現にも貢献した。リアは、ハイマウントストップランプとリアコンビネーションランプを1本の赤い線でつないだような造形となっている。断面から見たリアランプを収めるスペースの形状は金属材料では難しく、樹脂でなければできなかったという。また、CFRPは剛性が高く、サイドのトリムを廃することができ、先代モデルと比べて後方視界の拡大も図れた。

樹脂材料ならではの形状が実現した
樹脂材料ならではの形状が実現した(クリックして拡大)
新型プリウスPHVのリアウィンドウの見え方(左)。先代モデルはサイドのトリムで横幅が狭い(右)

 新型プリウスPHVのバックドアはCFRPを採用することで、同じ意匠でアルミニウムを採用するのと比較して40%の軽量化を図った。しかし、車両重量としては先代モデルから100kg増えている。重量増の要因は、駆動用バッテリーの総電力容量を2倍に増やしたことだ。これにより、バッテリー重量は1.5倍に増えている。

 重量増はEV走行中の加速性能向上によってカバーした。駆動用モーターに加えて、ジェネレーター(発電機)でも駆動力をアシストする。重くても思い通りの加速ができることで、安全に運転してもらうことを狙う。

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