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無電柱化で街にIoTプラットフォームが出現!? パナソニックが東電と取り組み製造業IoT

パナソニックは、2020年以降の社会インフラ構築に向けた開発中の技術やソリューションを提案する内覧会「Wonder Japan Solutions」において、「無電柱化」に対応した地上設置型の変圧器(パッドマウント)をIoT化する取り組みを紹介した。

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パナソニックの北尾一朗氏
パナソニックの北尾一朗氏。手に持っているのは2016年の「Wonder Japan Solutions」で注目を集めた「メガホンヤク」

 パナソニックは2017年2月13日、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年以降の社会インフラ構築に向けた開発中の技術やソリューションを提案する内覧会「Wonder Japan Solutions」(同年2月14〜17日、パナソニックセンター東京)を記者向けに公開した。

 Wonder Japan Solutionsは、2015年の初開催から今回で3回目となる(関連記事:パナソニックの考える、2020年の「お・も・て・な・し」)。パナソニック 東京オリンピック・パラリンピック推進本部 副本部長の北尾一朗氏は「当社の持つ技術を基に『おもてなしソリューション』のコンセプト提案を行った2015年の展示を“点”とすれば、パートナー企業との連携により具体的な社会実装を目指した2016年の展示は“線”になっていた。2017年の今回は『パナソニックの考える理想の都市像』をテーマに“空間”“面”で見せていきたい」と語る。

 内覧会では、空間として「都市」と「空港」、今後の広がりを期待できる「スポーツ」を“面”として展示を行った。

東京23区の無電柱化率は7%

 「都市」をテーマとする展示では、政府や地方自治体が推進している「無電柱化」に対応した地上設置型の変圧器(パッドマウント)をIoT(モノのインターネット)として活用する提案を示した。

 ロンドンやパリ、シンガポールといった大都市は、既に電柱がない100%の無電柱化を完了している。これに対して東京は、東京23区内に限っても無電柱化できている割合は7%にすぎない。そこで政府は2016年12月に無電柱化推進法案を成立させた。東京都も、2017年度予算で無電柱化に271億円を計上している。2020年までに、山手線沿線内については100%の無電柱化を実現する計画もある。また地方自治体でも、茨城県つくば市が2016年に無電柱化条例を制定した。

無電柱化推進の動向パナソニックと東京電力グループが取り組むパッドマウントのIoT化 無電柱化推進の動向(左)とパナソニックと東京電力グループが取り組むパッドマウントのIoT化(右)(クリックで拡大)

 北尾氏は「東京都内だけで無電柱化のためのパッドマウントは約3万台設置されている。しかし、パッドマウントを設置しているだけではただの箱だ。サイネージや各種センサーを搭載することでパッドマウントをIoT化していけば、最終的には街のIoTプラットフォームにすることができる」と説明する。

 パナソニックは東京電力グループと協力して、2017年度にパッドマウントをIoT化する実証実験を始める計画。2018年度からは何らかの形でサービスを始めたい考えだ。

 展示では、2017年度の実証実験に用いる、現行のパッドマウントとサイネージを組み合わせるタイプや、東京電力グループが2017年1月に開発方針を示した高さ80cmのパッドマウントと組み合わせるタイプなどを展示した。

現行のパッドマウントをIoT化するタイプインタラクティブなデジタルサイネージ付き電気自動車の充電スポット機能付き 現行のパッドマウントをIoT化するタイプ(左)。高さ80cmのパッドマウントと組み合わせるタイプは2種類あり、インタラクティブなデジタルサイネージ(中央)や、電気自動車の充電スポット(右)といった機能を有している。パッドマウントが車道に近い側に設置されることを利用して、自動運転に必要な路側センサーの搭載も想定しているという(クリックで拡大)

 また、無電柱化を推進すると、電柱が担っている街灯や通信関連の機能も同時に失われる。そこで、IoT化したパッドマウントと連携可能な通信機能を持つ街灯も展示した。さらに、無電柱化できずに残る電柱についても、電子ペーパーによる表示機能を追加するなどの提案を行った。

無電柱化とパッドマウントのIoT化の展示
左から、電子ペーパーによる表示機能を追加した電柱、サイネージと電気自動車の充電スポット付きのパッドマウント、インタラクティブなデジタルサイネージ付きパッドマウント、現行のパッドマウントをIoT化するタイプ、通信機能を持つ街灯(クリックで拡大)

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