東京電力がIoTプラットフォーマーに、日立、パナソニックと実証試験へ:製造業IoT(1/2 ページ)
東京電力パワーグリッド、日立製作所、パナソニックの3社は、住宅内の電気の使用状況や温度などの情報を収集/蓄積/加工することのできるIoTプラットフォームの構築に関する共同実証試験を始める。
東京電力パワーグリッド、日立製作所、パナソニックの3社は2016年11月7日、東京都内で会見を開き、住宅内の電気の使用状況や温度などの情報を収集/蓄積/加工することのできるIoT(モノのインターネット)プラットフォームの構築に関する共同実証試験を始めると発表した。同日から2016年3月末まで実施した後、2017年度に行うサービス事業者との実証試験を経て、IoTプラットフォームの実用化を進めていく考えだ。
会見に登壇した3社の代表者。左から、日立製作所 IoT推進本部 担当本部長の福岡昇平氏、東京電力パワーグリッド 経営企画室 室長の石川文彦氏、パナソニック AVCネットワークス社 技術本部 PLC事業推進室 室長 荒巻道昌氏
今回の実証試験は東京都を中心とした関東エリア約110戸の住宅が対象となる。分電盤周辺などに、家電製品の種類ごとの電気使用の変化をリアルタイムに検知できる東京電力パワーグリッドが開発した専用の電力センサーや、住宅内の温度などを測定する環境センサーを設置。これらのセンサーデータをセンターシステムに収集し、日立製作所の専用システムで蓄積/加工するプラットフォームを構築する。
また、住宅からのセンターシステムへのデータ収集については、ブロードバンド回線を利用した効率的な伝送方法を検証するとともに、パナソニックが提供する第3世代の高速PLC(電力線通信)「HD-PLC」の適用性も検討する。具体的には、マンションなどの集合住宅(約30戸)はブロードバンド回線を、約80戸の戸建て住宅はHD-PLCを用いる計画である。
3社の役割分担は、東京電力パワーグリッドが、全体の取りまとめに加え、専用の電力センサーの開発やデータ処理、取得したデータをさまざまなサービス事業者と共有した上での協業可能性の検討などを行う。日立製作所はデータの蓄積/加工を担うとともに、蓄積/加工するプラットフォームの有効性を検証する。パナソニックは、主にHD-PLCによる住宅内機器間のネットワークの有効性を検証する。
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