米自動車メーカーがサプライチェーン実行管理ソリューションを導入:製造IT導入事例
米Fordは米Inforのサプライチェーン実行管理ソリューション「Infor SCE」を、Fordの独子会社Ford-Werkeを通じてヨーロッパ7カ国で導入した。これにより、サプライチェーン全体の最適化に加え、可視性も向上する。
インフォアジャパンは2017年1月23日、米自動車メーカーFordが米Inforのサプライチェーン実行管理ソリューション「Infor SCE」を、Fordの独子会社Ford-Werkeを通じてヨーロッパ7カ国で導入したことを発表した。Infor SCEの導入により、サプライチェーン全体の最適化に加え、可視性も向上する。
Infor SCEは、倉庫管理や輸送管理、労務管理、3PL請求処理などのサプライチェーン実行に必要な機能を備えたサプライチェーン実行管理ソリューションだ。
今回Fordでは、クラウド形態で同ソリューションを導入。ヨーロッパに10カ所あるFordの各クロスドッキングセンターからアクセスが可能になった。同ソリューションを導入したことで、各センターでの商品移送プロセスを自動化し、作業員やリソースを効率化できるという。
Infor SCEは、配送に関するスケジュールや数量などの予測情報を事前出荷通知として受け取り、出荷元は荷卸し地点と各時間枠についてのを受け取る。入庫時点で納品書が全てスキャンされ、クロスドッキングプロセスを経由して受け入れられる。
また、破損したパレットや取り扱いユニットがあった場合、Infor SCEの返品プロセスにデジタルで報告処理される。さまざまな処理をデジタル化することで多くの部品の仮置きが不要となり、部品処理のスピードと精度が高まるとしている。
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