フォードが電動システム開発に約100億円を投資、EVやHEVの開発期間を25%短縮:電気自動車
Ford Motor(フォード)は、約1億3500万米ドル(約107億円)を投資し、モーターやインバータ、車載二次電池といった電動システムの開発と生産を強化する。専門開発拠点の設置や試験設備の強化、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)の生産能力の引き上げなどを予定している。
Ford Motor(フォード)は2012年8月15日(米国時間)、約1億3500万米ドル(約107億円)を投資し、モーターやインバータ、車載二次電池といった電動システムの開発と生産を強化する方針を明らかにした。電動システムの自社開発により、トヨタ自動車、General Motors、日産自動車などの競合他社に対抗する。
今回の投資に合わせて、本社のある米国ミシガン州ディアボーンの開発拠点「Advanced Engineering Center」を、電動システム開発に特化した「Advanced Electrification Center」に改称。同拠点に、約1000人の電動システム開発に携わる技術者を集結させる。
開発のための設備強化にも乗り出す。2013年までに、車載二次電池の試験設備のチャネル数を、現在の約2倍となる160チャネルに増やす。これにより、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)といった電動化車両の開発期間を約25%短縮できるという。
5台の新車を投入
フォードは2012年の1年間で、5台の電動化車両を投入する計画である。2011年末から量産を始めた小型EVの「Focus Electric」に加えて、今秋には、ワゴンタイプの小型車「C-MAX」をベースに開発したHEVの「C-MAX Hybrid」とPHEVの「C-MAX Energi plug-in hybrid」、そしてセダンタイプのHEV「Fusion Hybrid」の新モデルを発売する。年末には、Fusion HybridのPHEV版「Fusion Energi plug-in hybrid」の生産を始める。
C-MAX HybridやFusion Hybridに搭載されているハイブリッドシステムは、従来比で約30%のコスト削減に成功したという。実際にC-MAX Hybridの価格は、競合車種となるトヨタ自動車の「プリウスv(日本名はプリウスα)」よりも1300米ドル安い2万5200米ドル(約199万円)からとなっている。米国環境保護局(EPA)の認定燃費についても、市街地と高速道路ともに47マイル/ガロン(MPG)となり、プリウスvの市街地44MPG、高速道路40MPGを上回った。
さらに、これらの新車の投入に対応して、電動化車両の生産能力を2013年までに現在の3倍に引き上げる方針である。
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