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パナソニックがフォードにリチウム電池を供給、韓国LGの採用阻む:電気自動車
車載用リチウムイオン二次電池市場が活況を呈している。米Ford Motorはハイブリッド車に搭載する電池を従来のニッケル水素二次電池からリチウムイオン二次電池へと世代交代させる。サプライヤーはパナソニックだ。FordはEVでは韓国LG Chem系の電池を採用しており、パナソニックとのシェア争いが活発化しそうだ。
パナソニックは、2012年2月24日、リチウムイオン二次電池2種類を米Ford Motor(Ford)に供給すると発表した(図1)。Fordは4車種に同電池を全量採用する。ハイブリッド車(HEV)の「Fusion Hybrid Electric」と「C-Max Hybrid Electric」、プラグインハイブリッド車(PHV)の「Fusion Energi」である(図2)。
パナソニックは2004年からFordのHEV「Escape Hybrid」向けにニッケル水素二次電池システムを納入しており、「Fusion Hybrid」と「Lincoln MKZ Hybrid」にも同電池を供給してきた。パナソニックがFordにリチウムイオン二次電池の供給を開始するのは今回が初めてである。
図1 リチウムイオン二次電池セル PHV用(図左)では大容量が必要となるため、電池セルも大きい(容量20Ah)。HEV用(図右)の容量は5Ahである。Fordにはセルを集合体(スタック)にまとめた形で供給する。三洋電機が開発してきた3成分系(LiNixMnyCo1-x-yO2)の正極材料を使っており、車載専用電池である。出典:パナソニック
図2 Fordの「Fusion Hybrid Electric/Fusion Energi」 PHVであるFusion Energiは、2012年1月にデトロイトで開催された「2012 North American International Auto Show」で公開されたPHVである。出典:パナソニック
Fordに対してリチウムイオン二次電池を供給するサプライヤーは、パナソニックが2社目である。韓国LG Chemの100%子会社である米Compact Powerは、2011年にFordの電気自動車(EV)「Focus Electric」(23kWhの電池を搭載)向けにリチウムイオン二次電池の供給を開始している。
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