組み込み機器向けの最新OSを搭載したボックスコンピュータ:FAニュース
コンテックは、組み込み用PC「ボックスコンピュータ」の各シリーズに「Windows 10 IoT Enterprise」搭載モデル4製品を追加した。デバイス間やクラウドへの接続性を重視した、IoTを効率的に開発できるアプリケーション実行環境が整う。
コンテックは2016年12月20日、組み込み用PC「ボックスコンピュータ」の各シリーズに、「Windows 10 IoT Enterprise」搭載モデルを追加した。同OSが搭載されたのは「BX-956S」「BX-220」「BX-830」「BX-320」の4シリーズで、2017年1月から順次出荷する。価格はいずれもオープンとなる。
ボックスコンピュータにWindows 10 IoT Enterpriseを搭載することで、デバイス間やクラウドへの接続性を重視した、IoT(モノのインターネット)を効率的に開発できるアプリケーション実行環境が整う。同OSは、ストレージへの書き込み保護、トースト表示やUSBデバイスの制限といったロックダウン機能やID保護、コード署名、メモリ保護などの高度なセキュリティ機能を備えている。
4シリーズともBIOSの機能を拡張し、BIOSセットアップメニューからシステムイメージのバックアップとリストアを可能にした。OSが立ち上がらない状態でも、バックアップしておいたシステムイメージを数ステップの操作でリストアできる。
BX-956Sシリーズは、ファンレス・スリットレスで厚み29mmの薄型組み込み用PCで、CEマーキングとUL規格を取得している。BX-220シリーズも、ファンとスリットがない新書サイズの小型組み込み用PCで、独自のインテリジェントRAS機能を搭載した。また、異常発生内容を詳細に保存するなど、システムの信頼性を高めるさまざまな機能を備えている。
鉄道規格EN50155に適合したBX-830シリーズは、−40〜70℃の環境下でも安定して動作し、鉄道車両などの移動体や厳しい環境下でのエッジコンピューティングを可能にする。BX-320シリーズは、35mmDINレールマウントタイプの制御盤組み込み用PCで、外部PCI Express拡張コネクタを装備する。PCI Expressボード、PCIボードにおいて、デジタルI/O、アナログI/O、モーション制御などの機能を拡張できる。
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