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デルから初の本格的産業用PC、IIoT促進を狙う

世界有数のソリューションプロバイダーであるデルが「同社初」となる産業用PCを投入する。IIoTを構成する要素を自ら手掛けることで、法人向けソリューションビジネスを加速させていきたい考え。

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 デルは売り上げのうち90%を法人向けが占めており、その製品やサービスは多岐にわたるが、その多くがOEMとしての提供形態をとっている。製造ラインやプラント向けとして耐熱性や防塵(じん)性を備えたPC「OptiPlex XE2」や、医療機器や測定器むけの長期供給対応サーバ「PowerEdge R730 XL」といった製品が製造販売されているが、いわゆる産業用PCは用意されていなかった。

 しかし、IoT/IIoTの広がりを受け、同社としては初となる産業用PC「Embedded Box PC 3000/5000シリーズ」の提供を2016年6月より開始した。5年間の長期保証や広い動作温度範囲(0〜50℃)、組み込みOS対応などといった産業用PCに求められる要件を満たし、加えて、産業用PCとしては短い納期(最短2週間程度)や1台からの受注といった特徴を兼ね備える。

「Embedded Box PC 5000」
デルの産業用PC「Embedded Box PC 5000」

 「Embedded Box PC 3000シリーズ」はAtomを採用したスタンダードタイプ、「Embedded Box PC 5000シリーズ」はCore i7まで選択できるハイパフォーマンスタイプと位置付けられており、いずれもファンレス設計。電源についても産業機器向けとして24V対応がなされている。

 同社が日本国内における産業用PCの市場として見込むのは、ファクトリーオートメーションや病院情報システム(HIS)、デジタルサイネージといった分野であるが、事業を海外展開する企業にも大きなメリットがあるとする。同社は欧米からアジア、オセアニアまで大規模なサプライチェーンを展開しており、産業用PCのサポートも購入地域を問わず世界中で受けることが可能だからだ。

photophoto デルが産業用PCで狙う日本での市場(写真=左)、世界中に存在するサポート拠点(写真=右)

 「これまでも産業機器向け製品は用意していたが、スタンダード製品のOEM向け提供というのが実態で、“産業向け”とは名乗ってこなかった。新たに投入する「Embedded Box PC 3000/5000シリーズ」では産業用PCとしての要件を十分に満たしながら、短納期であり、手ごろな価格を実現した」(同社 OEMソリューションズ カントリー・マネージャー 兼 営業本部長 小山実氏)

 これら産業用PCの投入に先だち、同社ではIoTゲートウェイにも新製品を投入しており(Dell Edge Gateway 5000シリーズ)、IoT/IIoTに関するポートフォリオを拡張している。IoT/IIoTについては既に予防保全ソリューションをSAPおよびKepware、Software AGらと提供しており、産業用PCやIoTゲートウェイとあわせ、法人向けソリューションビジネスを加速させていきたい考えだ。

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