歩行者を避けるために自動でステアリング操作、11年ぶり全面改良のレクサス「LS」:デトロイトモーターショー2017
トヨタ自動車は、「北米国際自動車ショー2017」において、LEXUSブランドのフラッグシップセダン「LS」の新モデルを世界初披露した。11年ぶりのフルモデルチェンジとなる。セダンとして十分な居住性と、クーペシルエットのスタイリングを両立した。
トヨタ自動車は2017年1月9日(現地時間)、「北米国際自動車ショー2017」(一般公開日:2017年1月14〜22日、米国ミシガン州デトロイト)において、LEXUS(レクサス)ブランドのフラッグシップセダン「LS」の新モデルを世界初披露した。11年ぶりのフルモデルチェンジとなる。セダンとして十分な居住性と、クーペシルエットのスタイリングを両立した。
交差点の出会い頭衝突まで対応した予防安全パッケージを搭載。また、歩行者対応の自動ブレーキは、ブレーキだけでは衝突を回避できない場合に自動操舵で歩行者を避ける「世界初」(トヨタ自動車)の技術を採用している。方向指示器の操作で車線変更を支援する高度運転支援技術「Lexus CoDrive」も設定した。
交差点対応の自動ブレーキ? 自動で車線変更?
レクサスブランドのフラッグシップモデルとして、最先端の予防安全パッケージを初搭載する。車両や歩行者との衝突、車線逸脱といった先代モデルの予防安全パッケージでも対応している機能に加えて、交差点で右折(右側通行では左折)しようとする際の出会い頭の衝突もカバーする。
交差点での出会い頭の衝突に対しては、前側方レーダーの検知範囲を拡大して対応する。交差する車両が接近していることを大型ヘッドアップディスプレイ(HUD)で警告し、衝突回避支援を図る。
歩行者対応の自動ブレーキでは、ステアリングを自動で制御することで歩行者との衝突回避を支援する機能を世界で初めて採用した。進行方向に飛び出してきた歩行者を車両前方のカメラで検知、従来のシステムよりも早い段階で衝突の危険を警告する。
カメラとミリ波レーダーの検知結果に基づいて自動ブレーキが作動するが、ブレーキだけでは回避できないとシステムが判断した場合に、車線内の回避可能なスペースに向けて自動でステアリングを制御する。
現行モデルにも操舵回避支援は搭載されていたが、ドライバーが危険を回避する運転をした場合に、ステアリングやサスペンションを統合制御し、車両姿勢を安定させて回避操作を支援するためのものだった。
また、高度運転支援技術「Lexus CoDrive」では、ドライバーの運転意図と協調した操舵制御や、方向指示器の操作によって車線変更の支援を行う。都市部のカーブの多い自動車専用道路や渋滞時にも、連続した運転支援ができるようにした。
交差点で右折(右側通行では左折)する際、直進する対向車を検知して衝突する可能性があると作動する自動ブレーキは、Volvo Cars(ボルボ)がSUV「XC90」に「インターセクション・サポート」として全車に標準装備している。
最初に方向指示器を操作する手動の作業は伴うものの、自動で車線変更を行う機能については、Mercedes-Benz(メルセデスベンツ)が「Eクラス」の運転支援システムパッケージ「ドライブパイロット」に、Tesla Motors(テスラ)は「モデルS」などの「オートパイロット」として搭載している。
クーペのようなセダン
新型LSは、2017年春に発売予定の新型クーペ「LC」と同じプラットフォーム「Global Architecture-Luxury」(GA-L)によって、低く構えたスタイリングを実現した。また、クーペシルエットを作り出すため「6ライトキャビンデザイン」(車体側面にウィンドウガラスが片側3枚ずつ配置される形状)を採用している。金属を削り出したような印象を与える新開発のボディーカラー「マンガンラスター」を設定し、ボディーの造形の抑揚を強調する。
外形寸法は、現行モデルよりも低い全高だが、全長と全幅は拡大した。全長は145mm長い5235mm、全幅は25mm長い1900mmとなる。全高は1425mmで現行モデルよりも50mm低い。ホイールベースは155mm拡大して3125mm。
新たに開発した排気量3.5l(リットル)のV型6気筒エンジンは、静粛性とフラットなトルク特性を生かした爽快な加速感を実現。また、10速ATとの組み合わせにより、環境性能や快適性も両立した。
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